The Japan Foundation
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Artist Interview
Talking with Ryohei Kondo, leader of the highly popular all-male dance group Condors
男ばかりの超人気ダンスグループコンドルズを率いる近藤良平に聞く


――「コンドルズ」のデビューはいつ、どこで?
96年、神楽坂のセッション・ハウスの公演です。いまから思えばいい加減に創ったという感じですが、それでも3回くらいやったら、当時のセッション・ハウスで最も観客の入る出し物になっていました。そんな中で、あそこで働いている「大人たち」──つまりプロの照明さんとか──に、公演の後で「君たちは面白いから、お金を払って観に来てもらえるものをちゃんと創れ」と言われた。「人前で見せられるものをやれ。それには俺たちが必要だ」と。よく理解はできませんでしたが、じゃあやってみるかと、99年に、東京グローブ座で行われていた「春のフェスティバル」に応募しました。
演劇系の場所というイメージのところでしたが、東京近辺ではちょっと大きなフェスティバルでした。通ったので準備を始めてから驚きました。「まともな舞台公演を打つにはお金がかかる」ということに初めて気づいたんです。照明や音響のスタッフが必要だということも、それまでは知りませんでした。助成金の申請を出したのも、その時がはじめてでした。グローブ座でやった公演の内容は、今やっているものとノリとしては変わらないですが、それがきっかけになって、評価につながり、ダンス界からも演劇界からも認知されるようになりました。


翌2000年1月、ニューヨークのジャパン・ソサエティーでそのころ年頭の恒例になり始めていた『ジャパニーズ・コンテンポラリーダンス・ショウケース』に参加したのが「コンドルズ」としての米国デビューになった。続く2001年には東アジア縦断ツアー。同年の同上ジャパン・ソサエティーでの単独公演では、ヴィレッジ・ヴォイス紙に「日本のモンティー・パイソン」と称される。さらに2002年には韓国ツアー、2003年にはアジア・オーストラリア環太平洋ツアーと海外公演も目白押し。今年3月に行われた東京の渋谷公会堂での公演では、前売り発売の14分後には全公演完売というコンテンポラリーダンス史上例を見ない記録を樹立。超人気のカンパニーとなった。


――結成から約10年。近藤さんはいま37歳。コンドルズの団員も皆30代半ばから40歳までという年齢層になりました。いままでずっと、「全開バリバリ、エネルギー爆発!、行くぜ!」というノリの作品できたわけですが、この先このタイプの作品を、いつまで続けてゆくつもりでいますか? 例えば、人間だれでも齢を重ねればメンタルなものも変化しますから、若い時には全開を「稔り」と感じていても、だんだんそういうものが「変わってゆく」のが自然ではないでしょうか? 「そろそろどこかで方向転換を…」と考えていますか?
つまり、老化ということですね。いや、男というのは、意地でも「やる」ものじゃないですか。その「意地さ」がよかったりする(笑)。コンドルズは意地でも、ずっと今のタイプを続けてゆくと思います。フィジカルなことで言えば──別に逃げるわけではないですが、ガンガン踊っている時間が40分あるとしたら、それが20分に減って音楽の演奏時間が増えるとか、そういうことがあるいは出てくるかもしれない。でもこちらも経験を重ねているわけですから、踊る時間を減らしてもそれを「衰えてるな」と思わせない他のワザを、同時に増やしていけますから。

――なるほど。例えば、ミック・ジャガーはもう還暦を過ぎているけど、まったく変わらない。バッドボーイの感じは昔のままですよね。あそこまでやると、当然無理はしているのだろうけれど、「無理している」と観客に感じさせない。いや「無理している」とこちらが思っても、それはそれでやっぱりかっこいい。そんなイメージですか?
そう、まったくその通り。ローリング・ストーンズはかっこいい、ああなれればと思いますね。自分らはローリング・ストーンズにくらべればごくごく普通ではありますが(笑)、はれる意地はとにかくとことんはるつもりです。コンドルズはほとんどオリジナルメンバーが残っていて(プラス多少増えている)、ほとんど顔触れが変わってない。「若いメンバーを入れて若返らせよう」なんて考えは、まったくありません。「いまのこのメンバー」というのが大事ですから。

――コンドルズのメンバーは、近藤さんだけはダンスを中心にして活動していますが、他の人たちはみんな基本的に「表現系」の他の仕事を持っている。つまり「コンドルズが人生の1番」ではなく、2番目だったり3番目だったりする。老化ということは別にしても、年齢を重ねることで出てくる社会的な困難というものはありませんか? 特に男の人ばかりだと、日本では結婚したとか子供が出来たとかということで、だんだん活動がやりづらくなっていくと思いますが。
はい、実際にやりずらくなっています。それでも、そんなことは丸め込んでやっている(笑)。いや、逆にこれがコンドルズにとって結構大切なポイントなんです。「ダンス一筋」の人生じゃないけれど、いったん「コンドルズ」として集まってやる時には、もうとことんやる。コンドルズのメンバーは、あくまでコンドルズを一部として持ちながら人生の中で全体のバランスがとれているんです。「人生これだけ」というのにしてしまうと、だんだん限界が見えてくるんじゃないかと思います。ダンス一筋の生き方をしていないからこそ、みんなで続けていけると思うし、意地もはれる。それがコンドルズの味なのかもしれません。
 
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