The Japan Foundation
Performing Arts Network Japan
Contents
an overview
The recent state of corporate philanthropy in South Korea
韓国の最新メセナ事情

韓国メセナ協議会
韓国メセナ協議会は、唯一のメセナ組織として1994年に社団法人としてスタートした。2005年3月現在、119社が会員として、次のような目標を持って活動している。(1)文化を通じた社会貢献に対する認識の普及、(2)大衆の中でのメセナ運動の活性化、(3)国際的に連携したメセナ運動のグローバルイメージの普及。その具体的な活動として、(1)企業と芸術文化団体との窓口、(2)メセナ大賞(1991年より施行)、(3)個人や老人ホームなどを訪問してのメセナ主催の行事、(4)公演チケットをはじめとする物品寄贈のメセナ・ドネーション、(5)メセナ優秀企業賞の授与などを行なっている。
2000年のデータ−を基にすると、文化芸術に対する支援としては、会員の自社財団所有の施設物に対する支援がそのほとんどであり、総支援金額の70%以上となっている。民間の文化芸術団体に対する支援は、美術がもっとも多く約13%、音楽、舞踊、演劇などの舞台芸術に対する支援は全体の8%余りとかなり少なくなっている。この数値で留意しなければならないのは、これが韓国メセナ協議会の独自の支援数値というより、各会員企業の文化芸術に対する支援金額をすべて合わせた数値であるという点だ。つまり、韓国の企業メセナ活動はメセナ協議会の次元で行われているというよりは、各企業別あるいは企業家別に行われているとみなければいけない。
つまり、劇場や舞台芸術団体が、実際に企業から財政的な支援を受けようとする場合、韓国メセナ協議会はそれほど有用な窓口にはなっていないということだ。韓国のメセナ活動について議論を行い、メセナ活動に対する理解を普及するのが、ここの大きな役割と言える。

企業独自の文化財団
韓国の数多い公益財団の中でも、特に公演芸術分野に支援をしているのは、錦湖アシアナグループの錦湖文化財団、教保生命保険(株)の大山文化財団、LGグループのヨンアム文化財団、三星グループの三星文化財団の4つの財団である。
錦湖文化財団は、クラッシック音楽と美術を集中的に支援する文化財団である。音楽部門では、室内楽専用ホールである錦湖ホールと財団直属の管弦四重奏団を運営し、特に若い音楽家たちを支援している。美術部門では錦湖美術館を運営し、韓国の現代美術を主に展示・収集している。
大山文化財団は、1992年より資金をはじめとする設立準備が行われ、97年に正式に発足した。主な支援対象は文学だが、この財団のキーワードが“農村”“青少年”“文学”ということで、舞台芸術団体は青少年演劇祭や地域演劇祭などのプログラム、および韓国の戯曲の翻訳と海外紹介について支援を受けてきた。
ヨンナム文化財団は、LGアートセンターを2000年に開館し、その運営とともに舞台芸術界を支援してきている。この劇場は事業収入よりもかなり多い金額が財団から支給されており、招聘公演であれ、貸館公演であれ、公演自体が間接的に財団の支援を受けて行われている。また、海外の優れた公演を時差なく韓国に招聘し、舞台芸術の新たな観客層の拡大と国際交流に貢献している。
三星文化財団は、三星文学賞を通じて舞台芸術を支援している。三星文学賞には戯曲部門があり、受賞した作品を公演する場合に公演団体に製作支援をしている。ここから多くの新人劇作家が巣立ち、現在の韓国演劇界を担っている。また、メンピストという韓国最初の民間海外研修プログラムをつくり、演劇人の育成と言う長期的な展望を持った支援も行っている。

公企業のメセナ活動
政府が出資したり、実際上の経営権を持つ公企業は民間企業より公共性が高く、それとともに社会公益事業に対する関心も高い。その中で、積極的に舞台芸術に対し支援をしているのは、韓国馬事会(非営利特殊法人)、ポハン製鉄、韓国電力公社、韓国煙草人参公社であり、それ以外にも韓国ガス公社、韓国土地公社なども比較的関心を持っている。これらの公企業の場合、一般企業のメセナ活動が興行性のある商業演劇に偏りがちになるのに比べ、公演の内容や意図に力点を置き、地味ではあっても公益性の高い、社会的意味がある舞台芸術公演に支援をしている。

その他のメセナ活動
直接的な支援の他に、後援会の会員として、劇場や文化芸術団体の年間スポンサーという形で製作費支援に比べれば小額ではあるが一定の支援を続ける企業もある。企業の広報活動の一環である広告費として一部製作費を提供する支援、また最近では実際の金銭ではなく、自社の製品を提供し、公演時に観客に配布するイベント型の支援など、多様な形がある。
 
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