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Finnish Dance Today
フィンランドのダンスの現在

その他のアーティスト

〈アーティスト〉
すでに述べてきたように、フィンランドのダンス界では活動期間の息が長く、ベテランから新進気鋭まで層が厚い。前述したヨルマ・ウォティネンやテロ・サーリネンのほかにも、多数のアーティストが活躍している。

レイヨ・ケラ(Reijo Kela)
円熟の域に達し活躍をしている振付家・ダンサーたちのなかに、レイヨ・ケラがいる。ケラは、アメリカでマース・カニングハムの薫陶を受け、フィンランドに帰国後、60年代アメリカのパフォーマンス・アートとも共通する実験的な手法や野外パフォーマンスに挑み、社会的な問題意識や政治性を独自の表現に結実させている。

トンミ・キッティ(Tommi Kitti)
出自はジャズダンスだが、バレエ、ショーダンスなど多様なスタイルを融合し、エネルギッシュな動きを駆使した力強い振付をする。

アルポ・アールトコスキ(Alpo Aaltokoski)
成年期になってダンスを始めながら、ソロ活動を中心によく鍛えられたシャープな動きと映像や照明を組み合わせたスタイリシュな作品で評価されている。

スサンナ・レイノネン(Susanna Leinonen)
2004年青山ダンス・ビエンナーレで来日した新進気鋭の女性振付家。クラシック・バレエの語彙をコンンテンポラリーな構成の中に巧みに散りばめる。フィンランド国立バレエ団委嘱の最新作『Trickle Green Oak』はチュチュような衣装をつけた4人の女性ダンサーが凍った滝をイメージさせるインスタレーションの前で踊る秀作。

イェンニ・キヴェラ(Jenni Kivela)
埼玉国際創作舞踊コンクールでグランプリ受賞。受賞作の『レッド・レター・デイズ(Red-Letter Days)』は、切れの良い動きで綴られるダンス・シアター的な作品。

ユルキ・カルットゥネン(Jyrki Karttunen)
ヘルシンキ市立劇場ダンス・カンパニーで活躍した後フリーとして活躍。

ヴィルッピ・パッキネン(Virpi Pahkinen)
ヨガや東洋的技法を取り入れて魅力的なソロ活動を展開。

〈カンパニーとダンススポット〉
フィンランドのダンス・カンパニーの規模は、国立バレエ団を除いて比較的小さい。たとえば、専属ダンサー10名を抱えるヘルシンキ市立劇場ダンス・カンパニーのパンフレットの記述には、この国最大と謳われており、国際的な活動を続けるテロ・サーリネンのカンパニーにしても数人が基本で、必要に応じてプロジェクトごとに適当なダンサーを採用している。プロダクションに所属するかどうかに関わりなく、多くの有能なダンサーが独立して活動しており、ソロ公演が活発なのもこの国のダンスの特色となっている。

NOMADI
ダンスのプロダクションとして活発な活動を展開しているところの代表。アリア・ラーティカイネン、アルポ・アールトコスキー、イルキ・カルトゥネン(Jyrki Karttunen)などが所属。

また、公演を行う場である劇場やホール、スタジオについてだが、ヘルシンキ市内のナショナル・オペラ・ハウスを除いて、コンテンポラリー・ダンスのための大きなスペースはあまりない。ダンスを常時上演しているスペースとしては、ヘルシンキ市内の複合アート・スペース「キアスマ」と、工場跡地を再開発した「ケーブル・ファクトリー」が知られている。

キアスマ(Kiasma)
ヘルシンキ中央駅のすぐ近く、街の中心部にあり、モダンアートのギャラリースペースでもある。デザインや映像、メディア・アートでもマルチ・メディアを駆使した先端的なビジュアル・アートに焦点を当てており、企画のコンセプトがユニーク。モダンアートの展示と連動したダンス企画もある。ダンスのワークショップや公演が活発に行われている。

ケーブル・ファクトリー
広大なスペースに幾つかのビルをつなげ、ワークショップ、リハーサル、公演などのほか、アーティストの育成にも力をいれている。

なお、フィンランドダンスが活性化した要因としてヘルシンキ・シアター・アカデミーの舞踊学科や、北欧で最も古い歴史をもつクオピオ・ダンス・フェスティバルの存在があることを忘れてはいけない(ピルエッタ・ムラーリ氏インタビュー参照)。今後ますますフィンランドのコンテンポラリーダンスに注目が集ることは間違いなさそうだ。
 
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