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Performing Arts Network Japan
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劇評家としての活動をはじめ、演劇に関するさまざまな論文および著作を中国国内で発表。とりわけ中国の現代演劇に精通する若手研究者。TPAM には、「東アジアネットワーク」プログラムの一環、「中国マーケットの可能性」セミナーのゲスト講師として参加。


An Overview
Presenter Interview
2004.12.6
A China Impact in the arts The performing arts in a privatizing China  
 
劇場の建設ラッシュに沸く中国。東京芸術見本市(TPAM 2004)に来日した広東省芸術研究所のウー・ウェイチン(Wu Weiqing)、天津人民芸術劇院のジャン・ジンユアン(Zhang Jinyuan)、中国社会科学院文学研究所比較文学室のタオ・チンメイ(Tao Qingmei)──現代演劇リーダーたちの生の声。

Tao Qingmei
Beijin, China 北京
Doctor of Modern Theater Culture Research
Assistant Researcher at the China Social Sciences Academy, Culture Dept., Comparative Culture Center
陶慶梅(タオ・チンメイ)現代戯劇文化研究・博士、中国社会科学院文学研究所比較文学室副研究員

中国の演劇界はこの20 年で大きく変わりました。その中身は複雑ですが、大きく言うと1990 年を境に、90 年以前と90 年以後に分けることができます。
90 年代前は、改革開放政策以降の文化的発展の過程にはあったものの、中国人が西洋の芸術に触れる機会はまだ少なく、ましてや舞台芸術にはほどんどその影響は見られませんでした。
90 年代に入ると新しい動きが出てきます。その変化の特徴の1 つに、民間の人々つまり庶民の演劇活動が盛んになったことが挙げられます。90 年以前の"芝居を見たいが見るものがない"という状況が、民間劇団の誕生を導き、人々も演劇について考えるようになりました。

民間劇団の活動が顕著になった2000 年ごろからは、国家も民間への支援を開始します。こうした民間の盛り上がりとともに、小劇場演劇が各地で出現しました。また、こうした実験的な演劇作品に対して、国家がバックアップするようになりました。
バックアップはいわゆる資金面だけでなく、政府系劇団自体が実験的な演劇をつくろうと試みるようになりました。もちろん政府系劇団ですから、ある程度の規制があったり、興行的な要素も含まれますが、新しい芝居を求めている観客に向けた演劇をつくるようになりました。
こうした動きのきっかけとなったのが、元政府系劇団所属の演出家、牟森(ボーヒン)の活躍です。彼が民間劇団を率いて海外の演劇祭に積極的に参加し、注目されたことで、国家が援助を開始。その実績が認められたことが大きい。


近年の中国小劇場シーンで、重要な作品のひとつが、2001 年に初演された『天上人間』です。この作品の成功により、作品名が劇団名になったほどで、2001 年から2003 年までに国内で50 公演が行われました。この数字は、中国の小劇場演劇界ではもの凄い数です。木頭(ムートゥ)が私費で作・演出を手がけ、低予算で製作し(最初のプロダクションコストは、8 万元[日本円=約1,060,000 円])、再演に再演を重ねて、2004 年3 月の4 度目の公演で、観客総動員数で小劇場界ナンバーワンになりました。
これら中国で成功した小劇場の海外公演の実現の可能性はありますが、その前に脚本の修正など、海外向けの作品づくりに着手する必要があると思います。また、日本からも小劇場を招聘していますが、こうした舞台芸術の交流事業は「継続」させることが重要。1 回限りの公演ですべてを回収しなければならないということではなく、1 回目でもし赤字なら、2 回目、3 回目はどうするかをともに考えていくこと。長期的、継続的な公演・交流計画を立てようというスタンスが大切だと思います。
 
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