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Presenter Interview
Norway's Ultima Contemporary Music Festival is held annually each autumn. This year the spotlight is on Japan.


 
――聴衆育成を目的とするプログラムはありますか。
ヨンソン:   はい、かなり充実したものを用意しています。2004年は、演奏家を教育現場に派遣しました。オスロ周辺の500人あまりの音楽学校生とふれあい、コンサートを催したり、音楽について語りあったりする場を設けました。音楽教育を受けている子どもとそうでない子どもの両方にリーチするプログラムを行っています。ある若手の優秀な弦楽団があるのですが、彼らを派遣して現代音楽の演奏家と即興演奏に触れる機会を提供しています。若者たちはたいていオスロやベルゲンのオーケストラを聴くだけに終わってしまうので、あらゆるタイプの音楽にもっと触れてもらいたいと思っています。
ウルティマの教育プログラムは2週間のフェスティバル期間中の活動にすぎませんが、それでも2004年はおよそ4000人の小学生とふれあうことができました。通年にわたってこういった活動をする資金に乏しいので、期間外にも別の人たちがそのまま活用できるプロジェクトを開発しようとしています。
ヘンリクセン: フェスティバルの教育的側面に関して言うと、たとえば、作曲科の学生のためのマスタークラスを開講しています。これも育成プログラムの重要な部分を占めています。

――これらの活動の成果は?

ヨンソン:   順調です。90年代前半のノルウェーの現代音楽の聴衆は1万人程度でしたが、現在は1万5000人から2万人に増えています。実際、現代音楽の聴衆は、時代の変化や音楽家の動きに応じて移り変わりがありますが、今はまだ聴衆育成の発展途上にあります。プロの聴衆が育ってくるにしたがって、国際的な高いレベルの演奏も求められていくでしょう。
ご存じのように、ヨーロッパ域内の行き来は非常に容易で安価なので、人々はコンサートのためにロンドン、ベルリン、アムステルダムなどの都市に気軽に出かけて行きます。つまり、私たちはこれらのすべてのヨーロッパの都市を相手に競争しなければならないのです。これも私たちが常に高い水準を維持しなければならない理由のひとつですし、そのためにも聴衆育成に尽力しているわけです。

――2005年の日本プログラムの後、ノルウェーの演奏家を日本に派遣することは?

ヨンソン: そういった交換ができることを願っていますが、必ずしも招聘と派遣が交換条件ではありません。お互いにすべてにおいて完全に独立した判断を尊重しています。私たちは、ヨーロッパの17、18のフェスティバルが集まる国際ネットワークのメンバーで、年に4回ほどパリで会合をもっていますが、そこでもこうした考え方が共有されています。
ヘンリクセン: 国際ネットワークは、こういった考えを普及したり、芸術家に関する情報交換をしたりする場として有効に機能しています。たとえば、私たちが招聘する近藤譲は、このコネクションによってロンドン、オーストリア、ドイツでの公演が実現するかもしれません。とにかく面白いと思えば採用する。それになんらかの義務が生じることはありません。これがあるべき姿だと思います。

――たくさんの日本人が音楽の勉強のためにノルウェーへ留学していると聞きますが。

ヨンソン:   そうなんです。実際、ヘンリクセンさんの楽団にも日本人音楽家が何人かいました。特にこの10年、ノルウェーで学ぶ日本人が増えています。ノルウェーのオーケストラで活動しているプロの日本人演奏家もいますし、私たちのフェスティバルにも日本人女性のプログラム・コーディネーターがいます。これからもこういう交流が活発になっていけばいいと思います。
 
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