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Presenter Interview
The Avignon Festival rebornTalking about subjects like the Festival's new Associate Artist program
新生アヴィニヨン・フェスティバル新たにアソシエイト・アーティスト制度を導入するなど話題
ヴァンサン・ボードリエ
ヴァンサン・ボードリエ
ヴァンサン・ボードリエ
――2003年までディレクターを務めたベルナール・フェーヴル・ダルシエ氏の部下であったお二人が、その後任としてディレクターに任命されることになったわけですが、そこまでの経過はどのようなものだったのですか。
B:フェーヴル・ダルシエ氏は二つの期間にわたってディレクターを務め、演劇祭をさらにプロフェッショナルで国際的なものへと発展させることに貢献しました。94年に非常に優れた日本特集を企画したことはご存じでしょう。けれど、文化大臣(前文化大臣ジャン=ジャック・アヤゴン)は、フェーヴル・ダルシエ氏の任期を更新しない方針を打ち出しました。それを受けて、私たちはこれまでの演劇祭の総括を行うとともに、今後に向けた提案を行ったわけです。
アヴィニヨン・フェスティバルの運営母体は非営利協会なのですが、その運営委員会が後任のディレクターの選考委員会を兼ねていました。運営委員会には国(文化省)、地方、県、市など演劇祭の主たる支援者の代表が含まれており(文化省とアヴィニヨン市の意見が特に重要視されます)、彼らを前にして、新しい演劇祭についての提案を行い、選ばれました。

――フェーヴル・ダルシエ氏から、何を受け継いでいるとお考えですか。あるいは彼の路線とどのような違いを打ち出そうとされたのでしょうか?
B:幅広い観客に向けられた、新しい創造のためのフェスティバルという点で、私たちの仕事もこれまでの伝統の延長線上にあると思います。その一方で、国別の特集をやめて、アソシエイト・アーティスト中心のプログラムを組んだことは大きな違いです。
2004年のフェスティバルに招いたアーティストたちの多くは、これまでにも演劇祭に参加してきた人々ですし、私たちが何か全く新しいことを生み出しているわけではありません。ジャン・ヴィラールが1947年に創設して以来の57年にわたる演劇祭の伝統が、これからも続くように努めることは私たちの責任だと思います。
A:上演された作品のその後のツアーをサポートする体制も充実させました。演劇祭が単独で制作する作品はありません。上演する作品は、関与の仕方に違いはあれ、すべて共同制作です。事務局の中に、ツアーのコーディネート担当部門を置きました。

――歴史のある世界有数の演劇祭のディレクターに、若くして就任するのにはプレッシャーを感じませんでしたか?
B:ジャン・ヴィラールがアヴィニヨン・フェスティバルを創設したとき、彼はまだ35才でした。フェーヴル・ダルシエ氏もディレクターに就任したときには35才でした。ですから、私たちも、まさに適齢です(笑)(インタビューの時点でボードリエ氏は36才、アルシャンボー氏は34才)。
若いということには一つの強みがあります。舞台芸術は生きた芸術であり、若さの芸術だと思います。アヴィニヨン・フェスティバルを、「今」の芸術家、「今」の芸術表現、「今」の観客に向けて、一層開かれたものにしたいと望んでいます。

――数少ない批判の一つはチケット代の高さに向けられたものでしたね(主要会場の正規入場料は23〜33ユーロ/1ユーロ=約135円)。日本に比べればはるかに安いのですが、たとえば2004年の私のように、1週間滞在して20本以上の作品を見ると、その幸福感の代償として、それなりの出費は覚悟しなければなりません。宿の少なさと予約のとりにくさも、幅広い観客を集めるには大きな障害になっていると思いますが。
A:これらのアクセスの問題は、当然認識しています。演劇祭にやってくる人々に、可能な限り安価に滞在してもらえるよう努力しています。宿泊施設については、学校などを若者向けの安価な宿泊施設として開放してもらっていますし、アヴィニヨン市にも改善を働きかけています。チケット代については、助成金のおかげで、比較的安く抑えることができています。とはいえ、1週間、見られるだけの作品を見れば、確かにかなり高くはなりますね(笑)。
B:それでも、実際にかかったコストを考えれば安いものですよ。エクス・アン・プロヴァンスの音楽祭に行けば、チケット代はアヴィニヨンの数倍はします。さらに、今年からの試みとして、格安の学生・若者料金も設けました。そのおかげで、若者向けのチケットの売り上げはたいへん枚数が伸びました。収入面からいえば痛手でしたが、私たちのプロジェクトにとっても、演劇祭の将来にとっても、非常によい知らせでした。実際劇場の客席を見ても、若い観客が増加していると感じました。昔からの観客から(中には1947年以来通ってくれる客もいます)、はじめて演劇祭に来た人まで、3世代あるいは4世代にもわたる観客が同じ劇場の中に同居しているのも、アヴィニヨン以外にはなかなか見ることができない強みだと思います。
A:若者・学生向けには12ユーロの料金を設定しましたし、いくつかの作品は無料あるいは5ユーロという格安な設定にするなど、精一杯の努力をしています。それ以上を求められても、もう経済的には限界です・・・(笑)。
 
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