The Japan Foundation
Performing Arts Network Japan
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Presenter Interview
LG Art Center is an emerging theater in Seoul operated but a corporate philanthropic foundation and targeting a middle- to wealthy-class audience
中間富裕層をターゲットにした新劇場が台頭企業メセナで運営されるソウルのLGアートセンター


──韓国の舞台芸術の現状に関してですが、経済不況で観客がいないとか、面白い作品がないとか、演劇界もかなり落ち込んでいますし、いい話を聞くことがありません。今の現状をどのようにご覧になっていますか?
経済不況でも観客は作品が良ければ集まるんじゃないでしょうか。いくら不況だと言っても、大学路で公演されているものの観覧料くらいは、見たければ出しますよ(笑)。LGアートセンターの場合、昨年より観客は増えています。会員も伸びてますしね。

──先ほども会員が13万人とのお話がありましたが、数字もかなりですが、この会員というのはどのような会員なのですか?
インターネットと電話を通じた無料会員です。2000年の開館当時、国内の劇場としては初めて独自の劇場運営システム(Theater Management System=TMS)を開発して、チケット販売・予約、インターネットを通じた顧客とのコミュニケーション、会員管理を徹底しました。特にチケット予約は、顧客が座席表をインターネット上で確認しながら、自分の好きな席を選択できるようになっています。また、会員はチケット料金の5%がポイントされ、その金額によって、チケット割引やプログラムとの交換などの特典を利用できます。レパートリーだけではなく、こうしたシステムのためにLGアートセンターの顧客というのが固定的に存在しているんです。その登録数が13万人ということですが、その実情は企業秘密です(笑)。最近は劇団やダンスカンパニー、また制作会社もホームページを製作して、そこで会員管理を行ったりしていますが、管理システム自体の管理が大変ですし、手間隙もかかる。LGアートセンター規模のこのような会員システムはまだ少数でしょうね。

──話を元に戻しますが、現状のお話を続けてください。
舞台芸術全般が活気がないのは、その通りだと思います。これは、観客は変化しているのに、現場は変わらず同じというのが大きな原因だと、私は思います。これには文化政策も大きく影響しているのではないでしょうか。文化支援と称して、自生力を奪ってしまった一つの結果だと思います。そこにミュージカルを中心とした商業化の風が吹き、制度にもたれかかってしまっていた純粋な舞台芸術は、競争原理を忘れたまま、立ち往生している感じです。文化支援の主体である政府もそのことに気づいてはいます。これらの混乱は、現場の人間たちが、どうすればいいのかと頭を悩まし、道を探していけば、解消できると思います。生存権というところで真摯な葛藤が必要な時期です。そこから次の世代が生まれるでしょうしね。

──次世代は具体的に見えていますか?
具体的な名前はあげる必要がないと思うので、全体的な中での話をしましょう。韓国の舞台芸術は、演劇でいえば大学路中心の創作と公演活動、ダンスでいえば学校を中心とした学閥……というより教師を中心とした派閥の創作と公演活動、これが今までの舞台芸術界の地図です。これでは、演劇も、ダンスも大衆化できるわけがありません。観客の舞台を見たいという衝動が落ち、消費が落ちるのも当然ではないでしょうか。この中で、最近、積極的に海外に目を向けている人たちがいます。交流、国際協力といってもいいかもしれません。彼らは作品よりも交流と協力に中心を置いているんですが、果敢に世界と関わり合いながら、今の現状から脱皮しようと試みています。海外との出会いは、舞台芸術の文法に変化と多様性が生じることに繋がります。これは舞台芸術界の活力になるでしょうし、新しい動きになっていくと思います。また、舞台芸術の経営的な側面でも新しい動きが出てきています。演劇にしろ、舞踊にしろ、アーティストあるいは集団中心の公演製作が中心でしたが、制作者やプロデューサーを中心とした第三のグループが登場し、彼らが今力を持ってきています。韓国の舞台芸術界は今、新しい地図を書き始めるスタート地点に立っていると思います。それが次世代ですし、私には少しずつ見え始めています。
 
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