The Japan Foundation
Performing Arts Network Japan
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Presenter Interview
A look into the activities of the JCDN, a pioneering arts NPO dedicated to getting out information about the Japanese contemporary dance scene.
日本のコンテンポラリーダンスの情報源 アートNPOの草分けJCDNの活動とは?
──事業の内容を教えてください。
柱は、JCDNの会員になっているアーティストや関係者の具体的な情報を網羅した冊子「JCDNダンスファイル」の制作・発行、コンテンポラリーダンスのアーティストが全国のパフォーマンススペースを巡回する「踊りに行くぜ!!」の企画・制作・主催、それと海外とのネットワークづくりです。
冊子は年1回発行していますが、2003年には61組のアーティストの動画を1分ずつ収録したCD-ROM版を初めて発行しました。また、ウェブサイトの運営と、公演チケットのオンライン予約サービスも行っています。2000年にスタートした「踊りに行くぜ!!」は、地元以外の場所でアーティストが公演する機会を提供し、新しい観客との出会いによってアーティストも観客も育っていくことで新しいムーブメントを生み出すことを目的にしています。2004年には全国14カ所のアートスペースで23組のアーティストが公演を行いました。今年は18カ所、43組以上のアーティストが参加しています。冊子やインターネットで情報を発信することも必要ですが、実際に人が動くことで確実に何かが生まれるし、それが一番力強いことだと思っています。
その他、コンテンポラリーダンスに特化したNPOとして、日本各地で行われているダンスプログラムのコーディネートにも携っています。公立ホールや地域の文化振興財団がアートNPOと協働するようになったのに加え、ダンスの企画についても鑑賞事業だけでなく、もう少し突っ込んだ企画を立てたいというところが出てきました。ワークショップについての認知も広がってきたので、アーティストを派遣して地元のアーティストや市民を対象にしたワークショップをコーディネートしたり、制作セミナーなども行っています。それから、各地でのダンスプログラムのコーディネート事業を行っています。
こうした事業を実施する資金は、文化庁などの公的な助成と企業からの協賛金が主で全体の6〜7割を占めています。その他、コーディネート事業の委託料が2割、活動を支援する会員(法人、カンパニーは1として数えて、現在287)からの会費とチケット売上などが1割です。スタッフはフルタイムで5人が常駐していますが、正直、大変です(笑)。

──「踊りに行くぜ!!」に参加するアーティストはどのように選んでいるのですか?
各地でアーティスト選考会をやっています。今年は9カ所で行いました。ただし、東京については応募者が多いので推薦制度をつくって対応しています。それ以外に、ビデオテープによる公募と、「踊りにいくぜ!!」に参加実績のあるアーティストへの依頼等により、出演者を決定します。それで、10月〜12月の開催期間中のスケジュールを確認し、各地の主催者に対して出演者のビデオとスケジュールを送付し、最終的に主催者側のリクエストを聞いて最終決定します。

──事業が始まって6年目になりますが、影響は?
世界的に著名になったグループは別にして、これまでほとんどのアーティストが自分の地元でしか公演できなかったわけで、それがこの「踊りに行くぜ!!」のシステムに載れば全国巡回公演できるようになった。日本のどこで活動していても全国に出られるようになり、新しい観客や批評家の評価を受けられ、どこにいてもダンスにアプローチできる環境が生まれたことはアーティストにとってとても大きな励みになっていると感じています。
また、このシステムでは出演者に少しですがギャラを支払っています。今まではアーティストが金銭的な負担をして、自分の身内にパフォーマンスを見せていたためとてもプロとは言えなかったけれど、ギャラを受け取り、小さなスペースかもしれませんが批評的な観客のいるところで踊ることでアーティストの意識は明らかに変わってきたと思います。

──海外との共同事業も行っていますよね。
ええ。2002年度から隔年で「日米振付家交換レジデンシープロジェクト」を実施しています。これは、ニューヨークのジャパン・ソサエティとダンス・シアター・ワークショップ、フィラデルフィアのペインテッドブライド・アートセンターなどとの共同事業として始めたものです。アメリカと日本のアーティストが一緒に両国の各地域1週間程度滞在して、アーティスト同士が交流を深めるとともに、その地域のダンスコミュニティとも交流を図るというプロジェクトです。2004年度はボストン、フィラデルフィア、ニューヨーク、東京、大阪から一人ずつアーティストを選んで、その5人がボストン、フィラデルフィア、ニューヨーク、京都、松山の5カ所を回りました。
ニューヨークには様々な日本のアーティストがやって来ますが、どこで公演をするにしても、ホテルと劇場の往復だけで、ニューヨークのコミュニティに出合うことなく帰ってしまう。そうではなくて、異なる文化に触れて、アーティストがもっと刺激を受けられるような仕組みがつくれないか、と考えました。公演はある完成されたものを提示するものですが、そうではなく、何かが生まれていく、その根の部分をつくりたいと思ったんです。
このプロジェクトでは、各地のオーガナイザーとも知り合えるし、アーティスト同士の関係も生まれる。各地のアーティストがホスト役になってくれるので、新しい人脈や関係性を育むことが出来ます。実際、2004年度の参加アーティスト同士が作品の共同制作をするという成果も生まれています。これをアジアはじめ、様々な国でやりたいと思っています。
それから今オーストラリアとの「エクスチェンジ・プロジェクト」を準備中です。アデレードの見本市で、オーストラリアのアーティストやオーガナイザーと知り合ったのがきっかけで、2006年の日豪友好年に併せてレジデンスをしながら一緒に作品づくりができないか検討しています。コンテンポラリーダンスがまだまだ社会の中で浸透していないなど、オーストラリアと日本の状況が似ているのも理由のひとつです。
そのほか、調査研究として、今年からイギリス・プロジェクトを立ち上げています。イギリスは国がかなりダンスに力を入れていて、ナショナル・ダンス・エージェンシーという国の機関が全土に9つもある。そこがアーティストの育成とコミュニティの中で行うダンス活動を展開していて、例えば、障害者や登校拒否児などを対象にしたワークショップなど、コミュニティ・ダンスの事業を年間計7万件もやっているそうです。こうした取り組みは、日本の公立ホールの参考にもなるので、できれば1冊の本にまとめたいと思っています。
 
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