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張長城 ジャン・チャンチョン
張長城(ジャン・チャンチョン / Zhang Changcheng)
北京現代舞団(Beijing Modern Dance Company)ディレクター

http://www.bmdc.com.cn/index.asp
赤と黒
赤と黒
『赤と黒』(Red and Black)1996年
© Zhang Heping
花
花
花
『花』(Flower)2004年
© Zhang Changcheng
an overview
Presenter Interview
2007.2.16
What lies ahead for the Beijing Modern Dance Company and its international dance festival in today's Chinese contemporary dance scene? 
中国現代舞踊界の台風の目、国際フェスも手がける 北京現代舞団の目指すものとは? 
非政府系の芸術団体として、中国で初めて上演権を獲得した北京現代舞団。1995年の設立から10年の時を経て、作品も組織も大きな成長を遂げた。その立役者であり、国際ダンスフェスティバルの企画を手がけているのが、30代半ばのディレクター、張長城(ジャン・チャンチョン)。70年代生まれのリーダーが、中国舞台芸術界に新たな風を巻き起こす。
(インタビュー・文 菊池領子:R PRODUCTION代表・文化事業プロデューサー)


──最初に北京現代舞団の組織構成を教えてください。
 現在28名が所属しています。そのうちダンサーは18名。残りの10名は制作チームで、技術、衣装デザイナー、国際業務コーディネーター、宣伝、総務などです。

──ダンサーはどのような人たちが集まっているのですか。
 年齢は20歳から32歳まで。みな大卒で、芸術系の学士を持っています。お陰さまで、優秀な人材がみな北京現代舞団に行ってしまうと、彼らの出身校である北京舞蹈学院がいうほど、いい人材が集まっています。今年の桃李杯(Taoli Grand prix)の金賞、銀賞受賞者は、いずれも北京現代舞団のダンサーです。こうした専門の教育を受けたダンサーは、基礎がよくできていて、レベルが揃っているのが特徴です。けれども、往々にして視野がまだ狭い。だから私は、できるだけ彼らをフェスティバルに連れて行くようにしています。こういう表現もあるのだなと思えば、自分で取り入れますから。彼らは基礎ができているので、専門的に学んでいないダンサーに比べ、呑み込みは早いです。
 ダンサーは、自分で志願してきた者もいれば、こちらから声をかけた者もいます。中国では踊る機会が少なく、ダンサーたちは機会を探しています。といっても、ナイトクラブ等の娯楽のダンスは彼らが望んでいるものではありません。ダンサーにとって最も辛いのは、生活の問題ではなく、踊る仲間や環境がないことです。北京現代舞団にいい環境があれば、当然ここに来たいと思うはずです。

──年間、どのくらいの数の公演を行っているのですか。
50から60ステージです。公演数を増やすことは簡単ですが、それよりも創作活動を中心にして、ステージは回数より質の高さを目指しています。

──以前は、芸術監督がいましたよね。演出家はいるのですか。
 以前は香港から芸術監督を招いていましたが、今はいません。2005年のある事柄をきっかけに業務を見直したところ、必要ないと思ったからです。今はダンサーが自分たちで考えて作品を作っています。専属の演出家もいません。自分たちで振付けます。こうした名称は人が決めたものに過ぎません。それに、こういう肩書きがつくと、人は往々にして権力を振るってトラブルを起こしがちです。私が「団長」ではなく、「ディレクター」としているのは、組織における自分の専制的立場、絶対的な権限をなくすためです。私が北京現代舞団に来た目的はそもそも権利の独占、専制体制を改めるためでした。北京現代舞団は物事を民主的に決める風通しのよい体制です。

──2006年10月に北京で行われた10周年記念公演では「Beijing Vision」と題して、これまでの代表作5作を上演しましたね。いずれも異なる個性の作品で、10年間の軌跡がよくあらわれていました。
 96年の作品、「赤と黒」(Red and Black)は、私が関わる前の作品で、金星(ジン・シン / Jin Xing−中国の現代舞踊の開拓者。現在、金星舞蹈団を率いて上海を拠点に活躍中)が芸術監督を務めていました。彼女が振付けた作品で、赤と黒を基調に、中国文化の特徴を表す扇や太鼓を用いた群舞です。音楽は中国の民族音楽。この作品の公演が北京現代舞団の成立を宣言する公演でした。2004年の「花」(Flower)は中国ロックの始祖として有名な崔健(ツイ・ジェン / Cui Jian )が音楽を担当した作品で、若手男性ダンサーのソロ。高艶津子(ガオ・イエンジンズ / Gao Yanjinzi。現在北京現代舞団の専属アーティスト)が振り付けました。2004年の「覚」(Jue / Aware)はベルリン芸術祭の要請を受け、高艶津子がやはり踊り手である母親と親子で創作した作品です。伝統文化と現代文化の間の継承や発展、相互作用など、複雑な関係を、身体を用いて表現しています。
 
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