The Japan Foundation
Performing Arts Network Japan
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Presenter Interview
What lies ahead for the Beijing Modern Dance Company and its international dance festival in today's Chinese contemporary dance scene?
中国現代舞踊界の台風の目、国際フェスも手がける
北京現代舞団の目指すものとは?
喜怒哀楽
『喜怒哀楽』(Four Happiness)1996年
© Beijing Modern Dance Company

島
『島』(Quietude)2003年
© R PRODUCTION
──99年から北京でダンスフェスティバルを主催していますね。現在の北京のフェスティバルの状況はどうですか。
 毎年好評を得て発展したのはいいのですが、規模の拡大と質の向上は相反する関係にあります。表向きは好評でも、内部にはいろいろな問題がありました。2003年のSARSがフェスティバルについて考えるちょうどよい機会をくれました。
 第一に、何といってもフェスティバルは費用がかかります。けれど、資金がない。ないのに規模が拡大するわけですから、だんだん質が低下します。第二に、計画性がない。そこへ資金がないときていますから、来るもの拒まずで、何でもかんでも上演していました。そんな状態なので、学術的に何の意味もない単なるイベントでしかありませんでした。第三に、北京現代舞団の発展がフェスティバルの規模の拡大についていけなくなっていました。フェスティバルの管理に手が回らず、人身事故など何か重大な事件が起きてしまったら、目も当てられない状況でした。万一そんなことになったら、フェスティバルを開催しなかった方がマシだったということになってしまいます。
 今後は中国におけるフェスティバルのあり方、定義を明確にしようと思います。現在考えているのは、まずフェスティバルにテーマを持たせること。全員でなくとも、フェスティバルを企画、運営する主要メンバーはテーマをしっかり理解していなくてはなりません。次に、プログラム構成。全体の何割を古典名作に当て、フェスティバルの質を保つか。そして、先見性を示す先鋒的な作品をどの程度入れるか。それから、誰も見通しのつかない、いわゆるダークホースにもチャンスを与えなくてはなりません。これはフェスティバルが果たすべき責任です。三つ目に、フェスティバルという資源の循環性の促進。フェスティバルを単なる上演で終えるのでなく、社会的に意義あるものにせねばならないと思っています。例えば、研究者とネットワークを組めば、フェスティバルは具体的な研究材料を彼らに提供する場となります。そして彼らが研究した結果は、フェスティバルの将来を見通す材料になり、互いに役立つ。さらには、彼らの分析は「解説」として、一般の観客が作品を理解する手助けにもなるでしょう。こうして循環型のネットワークを組むことにより、フェスティバル開催費用の圧縮も可能となります。
 2006年10月から11月にかけて開催した北京国際ダンスフェスティバルは、中国は北京、上海、広西等から8団体、海外はヨーロッパ各国から約10もの団体が集まりました。会場は劇場、野外を含め5箇所。レクチャーやワークショップも開きました。
 今回は試験的な要素を多分に含んだフェスティバルでした。新たなスタイルの作品を取り込んだためです。というのは、招聘の候補作品の多くが新作で、詳細資料がありませんでした。これでは中国政府の許可がとれません。でも私は新しいものが欲しかった。そこで世界的に有名で誰もが認め、かつ実験的要素を多分に含んだダニッシュ・ダンスシアター(デンマーク)の作品を選んだのです。上演後、これは芸術ではないという意見が観客から出ました。もちろんこういう意見が出ることは予測済みです。これぞ研究対象にするべき作品なのです。こういう投げ掛けをするのもフェスティバルの役割だと思っています。
 このような作品は単独で招聘するよりフェスティバルに入れる方が、ことが運びやすくなります。つまり、単独だとかなり詳細な資料を求められますが、フェスティバルなら、全体の企画の中のひとつに過ぎなくなるからです。今回のフェスティバルの評価は上々で、2007年は政府が予算をつけてくれることになりました。来年は本腰を入れてフェスティバルの企画、運営に取り組みたいと思っています。

──海外からの参加作品はどのようにして決めているのですか。
 相手から連絡がある場合とこちらから声をかける場合と両方あります。これまで1500ステージ以上観ていますが、中には忘れられない素晴らしい作品があります。そういう作品に出会った時は、何とか中国に招聘したいと思い、その国の大使館へ連絡をとります。大使館は文化を輸出する役割を担っていますから、そのための資金をつけてくれるはずです。国によって事情は異なると思いますが、これまで私が会った大使館の職員は皆そうでした。そこで私は彼らにこう言うのです。あなた方の文化輸出を手伝いましょう。私にお金を払う必要はありません。あなた方の芸術団体に払ってあげてくださいとね。
 今では大使館の人たちとはいい友達です。おかげで多くの大使館は年間予算を自ら私に教えてくれます。例えば、来年は予算が少ないけれど、4団体分はある、どの芸術団体に関心がありますかと聞いてくるのです。だんだんやりやすくなっていますよ。

──海外との交流で特に注意している点は?
信用です。中国のイメージを誤って捉えられたくないですから。だから、すべての事柄を現行の中国の法律に則って合法的に進めています。政府の許可が取れてなかったために直前にキャンセルになるようなことがあっては、参加者に迷惑をかけ、信用を失いかねません。
 
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