The Japan Foundation
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Presenter Interview
Organizing a large-scale Japan-themed festival for 2008 The policies behind the Kennedy Center's international programs
2008年に大規模な日本特集フェスティバル開催 ケネディ・センターの国際プログラム戦略
──さて、2008年2月に開催する日本のプログラムに関してお伺いしたいと思います。まず、「ジャパン! カルチャー+ハイパーカルチャー」“Japan! Culture + Hyper Culture”というタイトルについてですが、このハイパーカルチャーHyper Cultureとはどういう意味でしょうか。
私は長年国際プログラムを担当し、世界中を旅してきましたが、今回のフェスティバルを準備するために何度か日本にも訪れました。日本には、歌舞伎、能狂言、文楽などの古典芸能から、蜷川幸雄の演劇や金森穣のダンスのようなコンテンポラリーなものまでさまざまな舞台芸術があります。しかし、それとは全く異なる別の世界もあります。そのうちのひとつがオタク文化であり、また、ロボットであり、明和電機のようなパフォーマンスであり、ラップトップオーケストラの音楽のようなテクノロジーの芸術だったりします。さらに、デザイン、建築、ファッションにおいてもさまざまなことが起こっています。そういう日本の文化について考えていたとき、日本のデザインについて論じた「ハイパー・デザイン」の記事を目にしました。このハイパーという言葉が、世界のどの国とも異なる日本文化の一面を的確に表しているように感じたので、今回のフェスティバルのタイトルに付けました。

──なぜこのフェスティバルに「ロボット」が?
世界のどこに、現在、日本でつくられているようなハイレベルのロボットを見ることができるでしょう。ワシントンでは記者会見の時にトランペットを演奏する「トヨタ・パートナー・ロボット」が登場して「What a Wonderful World」を演奏しましたが、実際に演奏しているとは誰も気づきませんでした。ロボットが吹いているのですよ。これは驚きですし、日常ではありえないことだと思います。つまり、ここに未来への道があるのです。実は、私は最初、なぜトヨタやホンダがそのようなロボットをつくっているのだろうと疑問に思っていました。それでトヨタ・ミュージアムに行き、実際にロボットを見て、同社の歴史と創業者の考えを知りました。彼は人々がよりよい暮らしを送るために何が必要かを考え、さまざまなことを試み、その結果として自動車をつくり始めたのです。そして、今も世の中のニーズが何であるかを見つめ続け、高齢者を介護することのできるロボットをつくろうとしているのです。これはビジネスマン的思考ではなく、人類のための発想だと思います。このようなロボットを見てインスパイアされる人もいるでしょうし、それ以上に、私たちの将来に向けて得るものは大きいのではないかと思います。

──あなたが選んだ今回のプログラムは、実に多彩で驚きました。日本文化の多様性をできる限り反映しようとしていることが伺えます。
はい、日本のようにこれほどまでに多様な文化のある国を見たことがないからです。その多様さゆえに、日本芸術と文化をテーマにしたフェスティバルの開催は非常に難しいことでもあります。日本の古代文化は中国のそれに根ざしていますが、その後、中国から取り入れたものを改良し、西洋化を受け入れ、西洋から取り入れたものをさらに磨き上げていきました。このプログラムを企画しながら、私自身が本当に情熱を感じたものを集めて、そうした中から生まれてきた多様性を描き出そうと思いました。

──ケネディ・センターでは過去にも日本関連のプログラムを実施されていますか。
日本とは長年の関係があります。ケネディ・センターでは、1989年に日本のアート支援のための基金「日本基金」を創設しました。以来、その基金を用いて、桜の季節に合わせて現代の日本人アーティストを紹介する「アーツ・オブ・ジャパン」という年間プログラムを実施しています。今年は世田谷パブリックシアターがプロデュースした『AOI/KOMACHI』を上演し、ニューヨークのジャパン・ソサエティーにもツアーしました。
 
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