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Presenter Interview
Organizing a large-scale Japan-themed festival for 2008 The policies behind the Kennedy Center's international programs
2008年に大規模な日本特集フェスティバル開催 ケネディ・センターの国際プログラム戦略
──アダムスさんは1992年からケネディ・センターに勤務されていますが、現在までにセンターのプログラムや方向性は変化してきていますか。
国際プログラムについては、大いに拡大しました。センターの元館長であり、クリントン政権時代の世界銀行総裁だったジェームス・ウォルフェンソンは、ケネディ・センターの事業拡大に大変関心を持っていた人物でした。彼の考えによって、私たちは米国の観客を魅了するプログラムを求めて、世界中を視野に入れるようになりました。その結果、さまざまな少数民族のコミュニティの観客層を開拓することができました。また、教育プログラム、フェローシップ、インターンシップなども拡大しました。ダンスおよびバレエのプログラムも拡大し、おそらく私たちは米国の文化センターのなかで最も多くのダンス公演を行っていると思います。カンパニー公演としてもこれまでに、中国やヨーロッパ、米国の代表的なカンパニーを幅広く紹介してきています。つまり、ケネディ・センターの電気は毎晩消えることがないということです。

──ケネディ・センターでは、これまでもアフリカ、ラテンアメリカ、アジアと世界の地域を特集した大規模な国際フェスティバルを4回ほど実施しています。このシリーズ企画の背景にある考えは何ですか。
1993年にさかのぼりますが、まずプランとして考えたのは、私たちがそれまで見たことのない世界の地域を掘り下げてみようということでした。その地域とは、アフリカ大陸、ラテンアメリカ地域、そしてアジアです。さらに私たちは、ワシントンのコミュニティと協働できる、彼らのニーズにこたえるような国際プログラムを目指そうと考えました。そして現在私は2009年開催のアラブ・フェスティバルに向けて企画しています。アラブ世界については最初のアフリカ・フェスティバルの際にワールドミュージックのジャンルで少し紹介したのみです。アメリカ人はこの地域についてはほとんど未知ですから、私たちにとってフェスティバルの開催はたいへん重要です。おそらくすべての人が、この世界のアーティストの美や創造性に魅了されることと思います。

──準国営機関ですから、今度のアラブ・フェスティバルのようなプログラムについては、政治的な意味合いを感じる人もいるのではないかと思いますが‥‥。
アラブ世界を取り上げることについては、アフリカ・フェスティバルを開催した頃から考えていたことなので昨今の政治状況とは直接関係はありません。むしろ、彼らの芸術事情にたいへん興味があります。カイザー館長が着任してからも彼の方針にアラブ世界のフェスティバル開催がありました。確かに、政局は悪化する一方で、本当に大変な状況になっているのですが、ある意味、今のこの時期にフェスティバルをすることがベストのタイミングなのかもしれません。芸術は人々に理解を促すのにもっとも優れたツールだと思っています。

──ケネディ・センター国際プログラム・ディレクターの立場から、芸術文化による国際交流の重要な役割は何だと思われますか。
わが国の大ホールや劇場で見られる創作に関して言うと、米国はかなり近視眼的傾向に陥っているように思います。それは、往々にして経済的理由によるものです。だからこそ私たちは、芸術文化による国際交流によって、世界には他の現実や価値観が存在するということを自国の観客に示し、啓発することが重要であり、それが私たちのミッションだと信じています。私が見てきただけでも世界中には素晴らしい芸術があります。それをより多くの人々と共有したいと思っていますし、それは私たちの人生を変えるきっかけになると思うのです。
 
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