The Japan Foundation
Performing Arts Network Japan
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Presenter Interview
Training arts managers to support the activities of the multi-cultural, multi-ethnic artists of Indonesia   Jakarta's art NPO Kelola
アート・マネージャー育成で、多文化・多民族アーティストを支えるジャカルタのクローラ財団
佐東 クローラ財団では「ディレクトリー」というインドネシアの舞台芸術に関するA4サイズで400ページにも及ぶ膨大なデータファイルを発行されていますよね。

クスモ そうです。私たちがワークショップを始めた頃は、インドネシア国内にどのようなアーティストや芸術団体があるのかを探し出すのは本当に難しかったのです。そこで、そういった情報を多くの人と共有すべきだと考え、2000年に初めてディレクトリーを発行しました。
 当初、インドネシア国内で活動している芸術団体で、伝統的なものからコンテンポラリーなもの、ダンス、演劇、人形劇など約3600団体の連絡先が掲載されていました。それぞれの地域で協力してくれる地域コーディネーターのような人が情報収集をサポートしてくれました。全団体をカバーできないので、現在活動中でコンタクト先のわかっている団体から始めて、その他の団体に繋いでもらいました。98年から約2年かけて調査を行い、2000年に発行しました。
 2003年に最新版を発行しましたが、それに掲載されているのは2600団体ぐらいです。約1000が活動をやめてしまったということです。98年に32年間大統領を務めていたスハルトが退陣したのですが、それまで厳しい規制をしていた彼が退陣していろいろなことが自由になった結果です。現在のディレクトリーはもう印刷物としてではなく、CD-ROMとウェブサイトとして発行しています。最新版はウェブサイトで見られます。

佐東 クローラ財団ではアーティストへの助成も行っていますが、いつからどのように始められたのですか。

クスモ 2001年からです。自然な展開でした。ワークショップを行い、アーティスト情報を収集してディレクトリーを作成し、アート・マネージャーをワークショップしても、いったい彼らはどこで働けばいいというのでしょう? それで彼らに実践の場ができるよう少額の助成金を用意しました。新作をつくるためと、国内3都市をツアーするためのものです。助成金を出す団体があれば、アーティストも企画書や報告書の書き方を学ぶことができます。多くのアーティストは、私たちの助成金で初めて報告書というものを書きます。それまで誰に対しても財政報告などした経験がありませんから、クローラ財団のスタッフがアーティストやマネージャーを手伝って作成します。私はこのような教育プロセスが非常に重要だと考えていますし、アーティストにとっていい勉強になると思います。

佐東 政府からの助成がほとんどないという状況で、クローラ財団のような団体を立ち上げるのに何が最も大変でしたか。

クスモ フォード財団からの支援があったので、立ち上げに際しては財政的な困難さはありませんでした。むしろ団体を継続し、維持していくことのほうが課題です。フォードの援助は減る一方ですし、これから新たな資金源を探さなければなりません。昨年はインドネシア国内からの支援を得るために、本当に熱心に働きました。インドネシアの企業や個人からの支援を広げなくてはなりません。将来、クローラ財団が続いていくためには、インドネシア国内の支援者を開拓することが不可欠です。

佐東 フォード財団以外に海外からの支援はありますか。

クスモ オランダ系のヒボからの資金提供を受けている他、アジアン・カルチュラル・カウンシル、メルボルン大学の関連機関であるアジアリンクも援助してくれています。ACCとアジアリンクは主に海外へのレジデンシー・プログラムに関してアフィリエートしています。これは、インドネシアのアーティストやアート・マネージャーが、米国もしくはオーストラリアで2〜6カ月研修するためのものですが、舞台芸術に限ったものではなくて、美術系のアーティストやキュレーター、映画関係者も参加しています。

佐東 そうすると、舞台芸術に関するアーティスト助成の資金は主にフォード財団からのものですか。

クスモ 当初はフォード財団のみでしたが、現在はフォードとヒボからの助成が半々です。アート・マネージメント・ワークショップは、フォードの援助のみで行っています。当初ワークショップは年7回行っていましたが、現在は年に1回です。他にもいろいろなワークショップを行っているのですが、それはその都度、ACCだったり、アジアリンクだったりゲーテ・インスティトゥートだったり、そのワークショップの種類によって支援団体が変わります。また、若手のマネージャーやアーティストを対象にした国内のインターン制度も創設したのですが、当初はフォード財団がこれも支援してくれていましたが、最近の3年間はインドネシアの個人からの寄付で支えられています。この制度では、年間14名のインドネシア人に奨学金を出して、3カ月間芸術団体で働く機会を提供しています。この奨学金には交通費、生活費、保険、舞台鑑賞や書籍購入の費用などが含まれます。

佐東 フォード財団がインドネシアの芸術を支援することになった経緯はどのようなことだったのですか。

クスモ フォード財団は50年前からインドネシアに事務所を持っていて、初期は米国に行って勉強するための奨学金を提供していました。70年代には行政官や政治家など多くの重要人物がフォード財団の奨学金で学びました。芸術支援を始めたのは1988年頃からだと思います。インドネシアのあらゆる舞台芸術団体が米国にいき、ツアーをしてまわりました。
 
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