2008年秋のIETM総会は、スイスのチューリッヒで11月6日〜9日の日程で開催される。スイスでのIETM総会は1992年にジュネーブで開催して以来、16年ぶり。今回は、EUが提唱する「European Year of Intercultural Dialogue(EYID)2008:ヨーロッパ異文化間対話の年」(http://www.interculturaldialogue2008.eu/)のパートナープログラムとして開催される。この総会のテーマは「Misunderstanding 誤解」。IETM総会期間中は、チューリッヒ市内の10の劇場で、スイスの最新舞台芸術シーンを見渡すことのできる演劇、ダンス等さまざまな公演が行われる。400〜600人のメンバーが参加する予定。
──米国でも、毎年ニューヨークで行われるAPAP(Association for Performing Arts Presenters)の年次総会の時にプレゼンターたちは同じことをしていますので、IETMのそういう役割はよくわかります。でも、APAPの場合、出席者の数も上演される公演の数も膨大になりすぎて、翻弄されているというのが現状です。自分の抱える複数のプロジェクトについてのミーティングをしようとアポ取りをすると当時に、他の多くの人からも、彼らがそれぞれ抱える将来的なプロジェクトについてのミーティングのリクエストを受けるわけです。その結果、気違いじみた忙しさに見舞われる。「出会いの場・機会」も規模が大きくなりすぎると、逆に役割を果たせなくなりますが、IETMではこういう問題は生じていませんか?
それはあります。ただ、IETMはAPAPの4分の1の規模ですし、メンバー募集も口コミベースで、パブリシティーもあまりしません。とは言うものの、私の在任している15年の間にIETMの規模が拡大しているのは事実です。ですので、コミュニケーションの質を保つこと、設立当初からのネットワークの特徴である寛容さや結束の意識を失わないことを心がけています。また、大きくなると共に、IETMのメンバーたちは、「IETMは会議」であり「そこへ行けば何かを与えてくれるだろう」と考えるようになってきました。しかし、そういう期待でIETMに出席した人は、失望すると思います。なにしろ、IETMは人々が「自分たち自身で」何かを作り上げる場ですから。そこが会議とネットワークとの違いです。私たちはメンバー各々にこの機会を有効利用し、すべての人への健全な環境を築こうとする積極性と行動力を求めます。そういう理由から、IETMは「サービス・オーガニゼーション」ではありますが、自分たちではそうは名乗らないことにしています。今後数年かけて、私たちはIETMをメンバーたちが行動的になれる「メンバー・オーガニゼーション」にし、メンバーのイニシアチブにより導かれる組織にしていくつもりです。