The Japan Foundation
Performing Arts Network Japan
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Presenter Interview
Leading South Korea’s dance world  CID-UNESCO Korean Chapter and SIDance
韓国ダンス界をリードする国際舞踊協会韓国本部とSIDance
文化同伴者事業
http://www.culturefriends.or.kr/
──文化同伴者事業とはどのようなものですか?
 05年にアジアとの文化相互交流を目的につくられた文化交流事業へのレジデンス助成制度です。その後、南米とアフリカまでエリアを広げました。残念ながら日本は対象国にはなっていません。文化一般8、芸術6、文化産業3、メディア1、観光1、体育2の計21機関を通じて、対象エリアからレジデンスをする研修生を募集します。芸術分野は国立機関の芸術経営支援センター、国立国楽院、国立民族博物館、韓国文化芸術委員会、国立現代美術館と民間団体の国際舞踊協会韓国本部となっています。
 具体的なレジデンス内容は各機関によってそれぞれ異なりますが、私たちの場合は6か月のレジデンス期間で6名ほどの人材を選び、多国間ワークショップや作品づくり、公演を行い、ダンス交流とコラボレーションのノウハウを蓄積しているところです。6か月の滞在期間中は韓国語授業や韓国文化を体験できるプログラムも用意されています。実費と製作費程度の助成金が支給されるだけですが、面白くやり甲斐のある仕事です。

──2010年以降、どのような国とのコラボレーションを考えていますか。
 2010年は、シンガポール、イタリア、東ヨーロッパの国々とコラボレーションを考えていたのですが、経済的に無理がありそうなので延期にしました。時機を待ちたいと思っています。「文化同伴者事業」の枠でのコラボレーションはブラジルだけは決まっていますが、他の国をアジアとアフリカの2エリアにするのか、2年間アフリカを続けたのでアジアエリアだけにするのか、検討中です。

──多方面から韓国ダンスに尽力されてきたわけですが、現在のダンス界をどうのようにご覧になっていますか?
 これまでダンス界を取り巻いていた学閥、人脈、創作ダンスはこうあらねばならないという固定観念から、やっと自由になったと思います。以前、海外の評論家から「韓国ダンス界はアカデミズムから抜け出せずにいる」とよく言われました。アカデミズムという単語はほめ言葉のように聞こえますが、実は学生ダンスから抜け出せていないということです。韓国ダンス界は学閥による師弟関係が緊密でしたから、自立した振付家が作品をつくっても、教師から指導を受ける場合が多々ありました。最近はひとりひとりのダンサーが自由になり、創作力、振付力も向上し、国際舞台に進出できるほどになってきています。もちろん過去にも国際舞台で活躍する人材はいましたが、国際レベルに劣らない人材が多数現れ始めたのは最近のことです。
 私は、韓国ダンス界はやっと希望がもてる時代になったと感じています。1998年からSIDanceを開催し始め、海外ネットワークが構築できつつあったにもかかわらず、数年間は海外に出せる作品がなくて送り出せずにいました。しかし、今は世界レベルに見劣りしない作品やダンサーが生まれてきています。
 また、政府が国際化や海外進出の必要性を過去よりはずっと切実に認識しています。以前は韓国伝統舞踊を海外に送り出す費用は出しても、コンテンポラリーダンスには出しませんでした。近頃は、海外で認められているフェスティバルや行事に参加する際は当然支援すべきものという風潮になりつつあります。10月末にブラジルのサンパウロにある韓国芸術支援センターとサンパウロ市が共同で「韓国現代舞踊週間」を開催し、韓国から5団体が参加しましたが、これも以前は考えられなかったことです。昔は自費で行うしかなかったダンス関連の海外交流事業を、政府が必要だと認めて予算を割り当てる時代になったのかと感激しました。ブラジルでもう一つ感じたのは、日本が北米や南米に文化的に進出していった道を、やっと今韓国も歩み始めたということです。

──最近のダンスのトレンドは?
 以前の韓国ダンス界にはトレンドがありましたが、今はトレンドというものがありません。20代後半から40代前半の注目に値する人材が続々登場し、多様性を増しています。イ・ギョンウン、シン・ジョンチョル、イ・テサン、チョン・ヨンド、チョ・ヒョクジン、イ・ソナ、パク・スンホ、シン・チャンボ、チャ・ジニョクなど幅広い年齢層の振付家が、フィジカルダンス、シアトリカルダンス、テクノロジーを利用したダンスなど、自由に独自の作品を発表しています。

──新政府が発足して2年、文化政策と文化芸術助成制度が急速に変革されつつあります。どのようにお考えですか。
 助成金を自治体の文化財団に委託したり、アルコ芸術劇場をはじめ大学路の公共劇場を直接文化体育観光部で管理するなど、今まで韓国文化芸術委員会という機関で行っていた事業を縮小し、様々な変革が提案され、実施されようとしていますが、現在はまだ過渡期にあり、コメントは控えたいと思います。

──アルコ芸術劇場が舞踊専門劇場に指定されましたが、ダンス界への影響は?
 アルコ芸術劇場が舞踊専門劇場になったのはとても嬉しいことです。あるジャンルが成長するためには専門のハードウェアが必要ですが、今までダンスにはありませんでした。ダンスの現場にいるダンサーや振付家は自ら社会的条件や環境を獲得する能力があまりありません。そういった意味では、政府がダンス界を認め、率先して専門劇場をつくってくれたことは幸いだと思います。
 聞いたところによると、アルコ芸術劇場、アルコシティ、トングラミ劇場、サンサンナヌム劇場の4劇場を大学路芸術劇場としてひとまとめにし、来年1月に財団を発足させて運営する予定だそうです。まだ準備段階ですし、芸術監督も決まっていませんので、ダンス界への具体的な影響をお話ができる状況ではありませんね。

──今日はお忙しいところどうもありがとうございました。
 
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