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2018.1.19
Japan Topics
第10回「フェスティバル/トーキョー17」が開幕(2017年9月30日〜11月12日)
 
 東京発の舞台芸術の祭典「フェスティバル/トーキョー17」(F/T17)。10回目を迎える2017年は、「新しい人 広い場所へ」をテーマに、9月30日から44日間にわたり、東京芸術劇場をはじめとする池袋エリアの文化拠点を中心に行われる。
 主催プログラムは、14 演目。オープニングは、タイの振付家・ダンサーであるピチェ・クランチェンがコンセプト・演出を手がける新作野外パフォーマンス『Toky Toki Saru(トキトキサル)』。アジア各国から選ばれたダンサーや一般参加者が出演。予約不要・無料で誰もがその場で作品に参加することができる。
 また、今年のアジアシリーズは中国特集で、「チャイナ・ニューパワー ─ 中国ミレニアル世代 ─」と題して若手アーティストに焦点を当てる。1985年生まれのチェン・ティエンジュオによる古代の世界と現代のクラブ・カルチャーが融合する新作パフォーマンス『忉利天(とうりてん)』をはじめ、1986年生まれのスン・シャオシンがバーチャルな世界に耽溺する若者を描いた『恋 の 骨 折 り 損 ─空愛①場─』、日本初上陸となる3組のミュージシャンによるライブや多分野のカルチャートークなども行われる。
 日本からは、F/T初登場となるままごとの柴幸男が、「距離」をテーマにした新作『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』を、東京芸術劇場の隣り合う2つの劇場でバージョンの異なる作品を同時上演。本作は、台北パフォーミングアーツセンター(2019年開館予定)との共同製作で、台湾の音楽家や衣装デザイナーとのコラボレーションも予定されている。
 松田正隆率いるマレビトの会は、福島の記憶の深層を描く『福島を上演する』の2年目を迎え、複数の作家が執筆した戯曲を舞台化。さらに、松田は若手発掘の新プロジェクト「実験と対話の劇場─新しい人 / 出来事の演劇─」でキュレーターも務める。
 その他、劇場から飛び出す「まちなかパフォーマンスシリーズ」では、中野成樹+フランケンズが時代小説『半七捕物帳』をベースにした新作を、東京と川一つを隔てた千葉県松戸で上演。福田 毅、遠藤麻衣、森 栄喜、快快も名を連ねている。
フェスティバル/トーキョー17(F/T17)
http://www.festival-tokyo.jp

KYOTO EXPERIMENT 2017(京都国際舞台芸術祭)が開幕(2017年10月14日〜11月5日)
 
 京都発の現代舞台芸術の祭典「京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT」。8回目を迎える2017年は、ロームシアター京都をメイン会場に、10月14日から23日間にわたり開催される。今年は京都が、日本・中国・韓国の国家プロジェクト「東アジア文化都市」の開催都市であることから、本芸術祭においても3カ国のアーティストによる作品上演や交流プログラムも行われる。
 公式プログラムは、「内なる他者との出会い」をテーマに、11作品をラインナップ。ドイツの現代音楽家ハイナー・ゲッべルスが初登場し、音楽劇『Black on White』を日本初演。また今年3月に逝去した振付家トリシャ・ブラウンが率いたトリシャ・ブラウン・ダンスカンパニーが昨年に続いて参加し、記念碑的な3つの劇場作品を上演する。そして、3回目の参加となるブラジルの振付家マルセロ・エヴェリンは、土方巽の「病める舞姫」から着想を得た新作を上演する。
 さらに、今回東アジア文化都市事業として、KYOTO EXPERIMENTでは初めて中国と韓国のアーティストを紹介。両国の現代演劇の新鋭に期待が集まる。中国ミレニアルズを代表する劇作家・演出家のスン・シャオシンはバーチャルな世界が現実を侵食していく現代社会を描く最新作を発表。韓国のパク・ミンヒは伝統的唱和法「ガゴク(歌曲)」を再構築して提示する。
 国内では、気鋭のアーティストたちによる世界初演作が注目される。昨秋よりアルゼンチンに滞在中の劇作家・演出家の神里雄大(岡崎藝術座)は現地取材を基にした新作を、演出家・映像作家の村川拓也は中国と韓国でのリサーチを基にした新作を、そして彫刻家・金氏徹平は女優・青柳いづみを迎えて舞台作品に挑む。その他、本芸術祭に度々登場してきた池田亮司やデザイナーと建築家を中心としたリサーチプロジェクト「researchlight」なども参加。
 また、今年の新たな試みとして、カナダのアーティスト集団ママリアン・ダイビング・リフレックスの企画により、地元の小学生が審査員となって参加アーティストにオリジナルの賞を授与する「チルドレンズ チョイス アワード」を開催。また、同時開催のフリンジ企画には、31作品が登録されている。
KYOTO EXPERIMENT 2017
https://kyoto-ex.jp
Presenter  Topics
南オーストラリア最大の国際芸術祭アデレード・フェスティバル開幕(2018年3月2日〜18日)
 
 1960年設立の大型総合芸術祭。演劇、音楽、ダンス、文学、美術、児童作品など、2週間半にわたり多岐にわたるアート作品が紹介される。当初はビエンナーレ形式を採用していたが、2012年以後、毎年開催。昨年度まで現芸術監督を務めたのはロンドンのオルタナティブ・ミュージック・フェスティバルMeltdownの創設者として知られるデヴィッド・セフトン。昨年度から、シドニーのベルボア・ストリート劇場で共同芸術監督を務めたニール・アームフィールド&レイチェル・ヒーリーが同職に就任した。
 本年度の大型演劇作品には、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出による『Kings of War』(ヘンリー5世、ヘンリー六世 第一部、二部、三部、リチャード三世を融合させた作品)、ロベール・ルパージュによる『月の向こう側』、またグラインドボーン音楽祭 Festival Operaで世界初演されたブレット・ディーン作曲によるオペラ『ハムレット』 等が上演される。
 またダンス部門では、アクラム・カーンが自身の踊る最後の長編ソロ作品と銘打った『XENOS』、フラメンコ界の異端児イスラエル・ガルバンによる『FLA.CO.MEN』、アボリジニの歴史とコンテンポラリーダンスを融合するバンガラ・ダンス・シアターによる『Bennelong』が紹介される。
 会期中は「小説家週間 Adelaide Writers' Week」と題して、世界中から小説家・ライターが招聘されるイベントも併催される。

[フェスティバル概要]
 1960年、南オーストラリア国立劇場運動に関わり、アデレードにアーツ・フェスティバル開催の潜在能力があると確信したジャーナリスト、ロイド・デュマがアデレード大学の音楽教授ジョン・ビショップと共に、各方面の有力者たちの協力を得て、半月間に105公演(大人向け74公演、子ども向け31公演)という規模でスタート。シドニー、メルボルンと並ぶオーストラリア有数のインターナショナル・フェスティバルとして、偶数年に開催されている。日本のカンパニーでは1994年に第三エロチカ(『マクベスという名の男』)、2000年に維新派(『水街』)などが招聘されている。
アデレード・フェスティバル(Adelaide Festival)
https://www.adelaidefestival.com.au/

第46回 香港アーツフェスティバル(香港藝術節)が開幕(2018年2月23日〜3月24日)
 
 1973年より東西の大型舞台芸術組織やビッグネームのアーティストたちを紹介してきた国際舞台芸術祭が今年も香港市内に散らばる複数の劇場施設を利用して大々的に開催される。過去10年間エグゼキュティブ・ディレクターを務めるのは、シンガポールのエスピラナードやシンガポール・アーツ・フェスティバルでもマーケティングやキュレーター業務を務めたティサ・ホー。
 本年度は「what’s real me」というテーマを掲げ、参加アーティストの作品により形成され、思考され、拡張される、いまここにある「リアル」について問いが投げかけられる。政治的、経済的、文化的に急速に変化する世界のリアルはいまどこに辿り付こうとしているのか。簡単な答のないこの問いに、フェスティバルを通じて向き合っていく。
 特に、今年のプログラムにはダンス作品が多く見られ、アレクセイ・ラトマンスキー振付によるアメリカン・バレエ・シアターの新作『Whipped Cream』、クリスティアン・シュプック振付によるチューリッヒ・バレエ団の『アンナ・カレーニナ』、さらに日本から勅使川原三郎の『トリスタンとイゾルデ』が招聘されている。
 演劇部門では、モントリオールの現代サーカス・カンパニー「The 7 Fingers」によるヒエロニムス・ボシュ Hieronymus Bosch のシュールレアリズム絵画を舞台化した『ボッシュ・ドリームス Bosch Dreams』、米国のオフ・オフ・ブロードウェイ劇団ザ・ネイチャー・シアター・オブ・オクラホマによる『幸福追求権 Pursuit of Happiness』などが上演される。

[フェスティバル概要]
 例年旧正月明けの2月から約1カ月にわたって開催される、アジア最大規模の舞台芸術フェスティバル。1972年に有志が集まり、Hong Kong Arts Festival Society Ltd.を創設。翌73年に第1回を開催して以来、30年以上もの間、国内外の優れた舞台芸術を紹介している。主に中華人民共和国香港特別区政府の康楽及文化事務署(The Leisure and Cultural Services Department)と、香港ジョッキー・クラブ・チャリティーズ・トラスト(Hong Kong Jockey Club Charities Trust)からの助成で運営されている。
 アジアおよび世界各国からのオペラ、音楽、ジャズ、ワールドミュージック、演劇、ミュージカル、ダンス、エキジビションなどの多彩なアートプログラムのほかに、青少年向けのワークショップなどの教育プログラムも充実。
 コンテンポラリーダンスでは、同フェスティバルの新たな試みとして、アジアで活躍する若手振付家/ダンサーのショーケース「アジア・パシフィック・ダンス・プラットフォーム」を開催。香港におけるコンテンポラリーダンスの観客育成を目的として、ワークショップ、ディスカッションなども同時開催する。また、「ニュー・ステージ・シリーズ」として、ジャンル横断型の実験的作品のためのプラットフォームを新設。
香港アーツフェスティバル(香港藝術節 Hong Kong Arts Festival)
http://www.hk.artsfestival.org/

NYの国際実験演劇祭アンダー・ザ・レーダー フェスティバルが開幕(2018年1月4日〜15日)
 
 米国内で最もカッティング・エッジな舞台芸術を紹介することで知られる国際演劇祭が、今年もニューヨークのザ・パブリック・シアターを拠点に開催される。現在は創設者のマーク・ラッセルと演出家・劇作家のメイイン・ワンの2人が共同ディレクターを務める。
 過去14年間、ザ・パブリック・シアターで開催されきた本フェスティバルには、42カ国から229団体が招聘された。もちろん米国の現代演劇作家たちもそのなかに含まれ、このフェスティバルの存在により、概して孤立しがちなアメリカ現代演劇シーンが、欧州各国のそれと接続をはかれるようになった。本フェスティバルをきっかけに国際的活動を展開した作家および団体には、エレベーター・リペア・サービス、ネイチャー・シアター・オブ・オクラホマ、ヨンジン・リーなどが含まれる。
 プログラムは、国内外の実験的パフォーミング・アーツ団体の作品を紹介する「メイン・プログラム」、舞台芸術と実験音楽の境界線で活躍するアーティストを紹介する「イン・コンサート」、若手演出家や振付家を積極的に紹介する「インカミング」、そして「その他イベント」に分けられる。
 本年度のメイン・プログラムには、前述したネイチャー・シアター・オブ・オクラホマによる、9/11以後の米国イラン侵攻を喜劇的に批判する『幸福の追求』、中国人演出家ワン・チョン率いる薪伝実験劇団が、二十世紀に活躍した中国人劇作家・曹禺による1951年作『雷雨』をリメイクした『Thunderstorm 2.0』、ポーランドのシュチェチンで活躍するドキュメンタリー演劇作家ヤネーク・トゥルクウォスキによる『マルガレーテ』などが含まれる。日本からは宮城聰が参加。ジャパン・センターで『夢幻能オセロー』を上演する。本作で宮城は有名なシェイクスピア戯曲を、夢幻能の視点から再解釈。オセローに殺された妻デズデモーナが彼との想い出を永久に生き続ける、という幽玄の世界を誕生させる。

[フェスティバル概要]
 APAPと同時期にニューヨークのパブリック・シアターで開催されるフェスティバル。第1回は2005年にブルックリンのSt. Ann's Warehouseで開催されたが、翌年より会場を移し海外各地から作品を招聘、2009年には14カ国から52作品を紹介。SITI Company、Elevator Repair Service、Nature Theater of Oklahomaなど、国際的な活躍も目覚ましい米国の先端を行くアーティストらとの共同創作の場も提供。創設者のマーク・ラッセルはP.S. 122のディレクターを長く務め、NYのアートシーンを牽引後、ポートランドのPICAで実施されているタイムベースド・アート・フェスティバルの芸術監督も務めた(2006〜08)、北米における現代舞台芸術の重要なプレゼンターの一人。
アンダー・ザ・レーダー(Under The Radar)
http://www.undertheradarfestival.com

第10回 南インド・ケーララ州国際演劇祭が開幕(2018年1月20日〜28日)
 
 2008年12月に南インド・ケーララ州で始まった現代舞台芸術の祭典が、今年で10回目を迎える。第1回開催時には、パキスタン、スリランカ、中国、イラン、バングラデッシュなど、SAARC(南アジア地域協力連合)に参加する周辺国の、古典および現代演劇作品を紹介するのみに留まったが、年を重ねることに規模は拡大し、いまではコロンビアからポーランド、リトアリアからボリビア、日本から英国まで、欧州、アジア、アメリカの世界各地から約30作品を招聘する巨大フェスティバルにまで成長した。2015年度から芸術監督を務めるシャンカル・ヴェンカテーシュワラン(1979年生まれ)は、世界中で自作を上演するインド最注目の現代演劇演出家。2016年にKYOTO EXPERIMENT(京都国際舞台芸術祭)に招聘された折りには、太田省吾作『水の駅』を演出して高い評価を得た。
 フェスティバルでは年度ごとにテーマが設けられ、そのテーマに則した作品の上演、ワークショップ、シンポジウムなどが開催される。本年度のテーマは「周縁を取りもどす」。「周縁」に置かれたものたちは、概して「社会から迫害されたアウトサイダー」というネガティブなイメージを呼び起こすことが多い。しかし本フェスティバルでは、確たる政治権力の中心地が失われてしまった現代においては、周縁に居る人びとからこそ、新たな対話、価値観、アクション、失われた声が再生されてくるはずだとポジティブに説く。そして周縁部に立ち返ることから、芸術行為は始まるべきだと訴える。
 参加作品には、地元インドの作品ほか、演出家アザード・シャーミリが現代イラン女性の政治的・社会的立場を描く『Voicelessness(失語状態)』、20世紀初頭に英国人兵士にレイプされた12人のエジプト人女性の証言をドキュメンタリー演劇に仕立てたライラ・ソリマンによる『Zig Zig』、ギオルギ・ミケラゼ トビリシ人形劇団による大人のための人形劇『ザ・パワー・オブ・ララバイ』、シンガポールの現代演劇集団Ponggurlによるフィジカル・シアター『マレーの男とその中国人の父』など、世界各地から集められた選りすぐりの前衛現代演劇作品が含まれる。

[フェスティバル概要]
 2008年より、地域屈指の舞踊演劇教育研究機関であるケーララ・サンギーサ・ナカタ・アカデミ(Kerala Sangeetha Nakata Akademi)により主催されているインド屈指の国際総合演劇祭。フェスティバルは地元の現代舞台芸術作品の育成・紹介・発展に焦点を当ててはいるものの、同時にケーララおよびインド諸地域の民族・伝統演劇の紹介にも熱心に取り組んでいる。また世界中から訪れるアーティストや研究者のインド文化に対する理解が深まるようにと、セミナーやワークショップ、展示会、映像試写会なども積極的に行っている。
ケーララ州国際演劇祭(International Theatre Festival of Kerala)
http://theatrefestivalkerala.com/
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