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2018.10.31
Japan Topics
ANTIBODIES Collectiveが瀬戸内海の犬島で『エントロピーの楽園』を開催(2018年10月5日〜8日)
 
 精錬所の遺構を保存・再生した「犬島精錬所美術館」の立地する瀬戸内海の犬島は、実験的なパフォーミングアーツの会場としても知られている。その犬島全域を舞台に、京都を拠点に活動するパフォーマンス集団ANTIBODIES Collective(アンチボディズ・コレクティブ)が『エントロピーの楽園』を10月5日から8日まで展開する。
 ANTIBODIES Collectiveは、2015年にダンサー・振付家の東野祥子と音楽家のカジワラトシオが、「Dance Company Baby-Q」を母体として設立。ダンサーや音楽家、美術作家などが参加する領域横断的なコラボレーションの形態を発展させるスペシャリストの集合体を目指し、サイトスペシフィックな作品に取り組んできた。
 『エントロピーの楽園』と題された本公演は、2017年に京都芸術センターでワークインプログレスを行い、2018年4月に横浜赤レンガ倉庫1号館でリクリエーションを上演。1年がかりのリサーチとクリエーションの集大成として実施するもの。島全域に廃材や自然物、ソーラー発電を利用した美術装置、サウンドインスタレーション、パフォーマンスが同時多発的に展開されるなか、観客はマップに従って歩き回りながら鑑賞するという自由回遊形式の作品となる。また、終演後は岡山近郊で活動する食文化のクリエイター、パフォーマー、ミュージシャンたちによる「ANTIBO村」が出現し、祭りも行われる予定。
ANTIBODIES Collective
https://antibo.org/

「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2018」開催(2018年10月6日〜28日)
 
 京都発の現代舞台芸術の祭典「京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT」。9回目を迎える2018年の公式プログラムは、女性アーティストおよび女性性をアイデンティティの核とするアーティスト/カンパニーに焦点を当てた12組をラインナップ。ロームシアター京都をメイン会場に、10月6日から23日間にわたり開催される。
 今回初参加となるブラジル出身のロベルタ・リマは、昨年より続く京都でのリサーチ・レジデンスを経て、日本酒の醸造過程からインスピレーションを受けたインスタレーションとパフォーマンス『水の象(かたち)』を世界初演。1975年に結成されて以来、40年を超えてなおニューヨークを拠点に現代演劇の先端を走るウースター・グループ(アメリカ)は、アメリカのウーマン・リブ史に残る1971年の伝説的討論会を描いた映画『タウン・ブラッディ・ホール』に基づく『タウンホール事件』を上演する。その他、ジョン・グムヒョン(韓国)やマレーネ・モンテイロ・フレイタス(ポルトガル)も日本初演作を発表。
 KYOTO EXPERIMENT3回目の参加となる女性パフォーマンス集団She She Pop(ドイツ)は、性教育をテーマとした『フィフティ・グレード・オブ・シェイム』を上演。ロラ・アリアス(アルゼンチン)は、自身のルーツであるアルゼンチンとイギリスが戦火を交えた1982年の戦争を題材にした演劇作品で5年ぶりに参加。昨年に続いて参加のドイツ在住の田中奈緒子は、世界遺産・元離宮二条城を舞台に最新作となるインスタレーション・パフォーマンスを発表する。
 日本からは、市原佐都子/Qが代表作2本、伝統芸能や儀式をリサーチしている手塚夏子がスリランカと韓国のダンサーと漂流瓶をめぐるコラボレーションを発表。出身地・沖縄を主題とした写真や映像作品を制作する山城知佳子が国内外で大きな話題を読んだ『土の人』を展示し、新作パフォーマンスにも挑む。
 今年は日仏交流160周年および京都・パリ友情盟約締結60周年を記念して、フランスからジゼル・ヴィエンヌ/DACM、セシリア・ベンゴレア&フランソワ・シェニョーの公演も行われる。
 また、関連プログラムとして、フリンジ「オープンエントリー作品」(10月1日〜28日)を同時開催。ジャンル不問の公募で集まった36作品が登録されており、京都中で展開される。
KYOTO EXPERIMENT 2018
https://kyoto-ex.jp

向井山朋子と山田うんの初コラボによる『雅歌』がオランダと日本で上演(2018年6月15日〜7月22日)
 
 オランダ在住のピアニストで美術家の向井山朋子と、日本の振付家・ダンサーの山田うんが初のタッグを組んだ新作公演『雅歌(がか)』が、北オランダのテルスヘリング島における野外舞台芸術祭「ウーロル・フェスティバル」にて世界初演。6月15日からの10日間、日没の海辺を借景に上演された。
 本作は、日本で脈々と受け継がれてきた儀式をテーマに「音楽とダンス、声、祈り」で構成。和歌山県新宮市で生まれ育った向井山朋子がコンセプト・演出を、山田うんが振付を手がけ、現代に捧げる新しい儀式として創作された。音楽はウクライナ出身のマキシム・シャリギン、衣装は中国出身のティン・ゴング、ダンサーは女性のみでCo.山田うんのメンバーに加え、国内外で活躍するダンサー湯浅永麻らが参加。
 7月には、高知県立美術館の中庭にて地元出演者を加えて日本初演後、東京・神津島の前浜海岸にて上演される。
日本・オランダ国際共同製作「雅歌」初演ツアー2018
6月15日〜24日/ウーロル・フェスティバル(テルスヘリング島、オランダ)
7月13日、14日/高知県立美術館・中庭(高知)
7月21日、22日/神津島・前浜海岸(東京)
高知県立美術館
https://moak.jp/

d-倉庫「ダンスがみたい!20『病める舞姫』を上演する」開催(2018年7月24日〜8月5日)
 
 東京の小劇場「d-倉庫」が主催する現代舞踊のダンスフェスティバル「ダンスがみたい!」。このフェスティバルは、「ダンスを刺戟する」をコンセプトに2001年にスタートしたもので、コンテンポラリーダンス、モダンダンス、舞踏などジャンルを越えたプログラミングにより、若手から国際的に活躍する振付家・ダンサーにまで挑戦的なダンスの場を提供してきた。
 20回目となる今回のテーマが舞踏の始祖・土方巽(1928〜86)。彼が遺した代表的な著書「病める舞姫」(1983年/白水社刊)を題材に創作し、コンテンポラリーダンスの若手から舞踏の大御所まで実力ある7組が競演する。「言葉の舞踏」とも言われる本書は、通読すら容易ではない極めて独自な言語世界で知られ、いまなお研究者や批評家、舞踊家を魅了し、翻弄し続けている。中でも土方とともに舞踏創世記を築いた笠井叡によるアプローチは必見だ。
 また、同シリーズの公募ダンスコンペティション「新人シリーズ16」の受賞2作品が加わり、期間中には9作品が上演される。
『病める舞姫』出演者
白神ももこ-かんきつトリオ(7月24日)
今枝星菜/水中めがね∞(7月25日)
鈴木ユキオ(7月26日)
伊藤キム(7月28日、29日)
大塚郁実(7月30日)
ケダゴロ(7月31日)
黒田育世(8月2日、3日)
笠井叡-土方巽幻風景(8月4日、5日)
d-倉庫
http://www.d-1986.com/

第11回「フェスティバル/トーキョー18」速報(2018年10月13日〜11月12日)
 
 11回目を迎える東京発の舞台芸術の祭典「フェスティバル/トーキョー18」(F/T18)が10月13日〜11月12日に東京芸術劇場、あうるすぽっと、南池袋公園などを会場に開催される。今回から新ディレクターに日本におけるドラマトゥルクの草分けとして数多くの演出家や振付家の作品に参加してきた長島確が参加。これまで副ディレクターを務めていた河合千佳が共同ディレクターに就任し、二人体制となる。
 プログラムは、これまでのラインナップを継承した2つの軸で構成。同時代のアジアの舞台芸術を紹介する「アジアシリーズ」には、タイから2回目の参加となるピチェ・クランチェン、バングラデシュの劇団ショプノ・ドル、カンボジアのアーティストであるローモールピッチ・リシーが参加。劇場外の空間における「まちなかパフォーマンスシリーズ」では、小田桐奨と中嶋哲矢によるユニットL PACK.、坂田ゆかり×稲継美保×田中教順、俳優・福田毅、写真家・森栄喜が名を連ねている。
 また、マレビトの会の3年にわたる『福島を上演する』の集大成のほか、イラン出身の劇作家・パフォーマーのナシーム・スレイマンプールや劇作家・演出家の山本卓卓らも参加する。
 詳細は7月中旬の発表を予定。
フェスティバル/トーキョー18(F/T18)
http://www.festival-tokyo.jp

「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018」開催(2018年8月4日〜9月30日)
 
 横浜で3年に1度開催されるオールジャンルのダンスフェスティバル「Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2018」。2012年の初開催から3回目を迎え、新たにリヨン・ダンス・ビエンナーレ芸術監督のドミニク・エルヴュとコンドルズの近藤良平がディレクターに就任。横浜の街を舞台にバレエ、コンテンポラリー、ストリート、ソシアル、チア、日本舞踊などダンスのジャンルはもちろん、国籍、ジェンダー、世代や障がいの有無を超えて、約200ものプログラムを展開する。オープニングは、横浜ならではの景観を活かした野外舞台におけるバレエ公演「横浜ベイサイドバレエ」。
 今年は日仏友好160周年であり、エルヴュは姉妹都市であるリヨンと横浜の2つのダンスフェスティバルを橋渡しする役割を担う。フランスのバレエ・ロレーヌやイギリスを代表する振付家アクラム・カーンらを招聘する他、日仏ヒッポホップ・アーティストによる「トリプルビル」を共同制作。ストリートダンスの先駆者カデル・アトゥと若手ジャンヌ・ガロワがオーディションによって選ばれた日本人ダンサーとそれぞれ新作を世界初演するのに加え、東京ゲゲゲイが新作で参加(これらの作品は横浜で創作・上演された後、「ジャポニスム2018」やリヨン・ダンスビエンナーレなどをツアー)。
 近藤良平は、主宰するコンドルズ、義足のダンサー・大前光市と平山素子らと共演する「intermezzoー本気のはしやすめー」などが出演する「近藤良平・ヨコハマ・ガラ」を野外ステージで上演。また、横浜の街中を舞台とした市民参加型「横浜ダンスパラダイス」をディレクションする。本プログラムは会期中の週末に駅前やショッピングモールなどのオープンスペースでダンスを繰り広げるもので、最終日には参加したダンサーや観客が集結し、近藤振付によるオリジナルダンスを踊る大規模なフィナーレを予定。
 また、第一線のアーティストが小学校でダンスの授業を行う「スクール・オブ・ダンス」、子どもたちを対象とした「18区ダンスワークショップ」、幼稚園・保育園をめぐる「ひつじのショーンキャラバン隊」、高校のダンス部応援プロジェクトなど、次世代育成プログラムにも力を入れている。
Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018
https://dance-yokohama.jp/

「ジャポニスム2018:響きあう魂」舞台公演ラインナップ発表
 
 「ジャポニスム2018:響きあう魂」が、2018年7月から2019年2月にかけて、フランスのパリ市内を中心に20を超える会場で開催される。日仏友好160周年を迎える2018年に、日本文化の多様かつ普遍的な魅力を、パリ、そして世界へ“発信する大型日本文化紹介企画。公式企画には、展覧会・舞台公演・映像・生活文化他の4つの分野から、50以上のプログラムがラインナップされている。
 舞台公演では約30演目の上演が予定されている。宮本亜門演出の能×3D映像『YUGEN 幽玄』、宮城聰演出『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』、故・蜷川幸雄の演出作品『海辺のカフカ』、野田秀樹演出『贋作 桜の森の満開の下』に加え、現代演劇シリーズにタニノクロウ松井周藤田貴大岩井秀人岡田利規、杉原邦生らが名を連ねている。ダンスでは、森山未來と伊藤郁女による新作デュオ、川口隆夫の『大野一雄について』などが上演される。詳細は、ウェブサイトを参照。
「ジャポニスム2018:響きあう魂」舞台公演リスト
邦楽ライブ 和太鼓×津軽三味線
(2018年7月5日、6日/ジャパン・エキスポ)
和太鼓 DRUM TAO DRUM HEART
(2018年7月13日〜15日/ラ・セーヌ・ミュージカル)
雅楽 宮内庁式部職楽部
(2018年9月3日/フィルハーモニー・ド・パリ)
松竹大歌舞伎
(2018年9月13日〜19日/国立シャイヨー劇場)
野村万作×萬斎×杉本博司『ディヴァイン・ダンス 三番叟』『月見座頭』
(2018年9月19日〜25日/パリ市立劇場 エスパス・カルダン)
現代演劇シリーズ─タニノクロウ演出『ダークマスター』『地獄谷温泉 無明ノ宿』
(『ダークマスター』:2018年9月20日〜 24日、『地獄谷温泉 無明ノ宿』:9月25日〜29日/国立演劇センター ジュヌビリエ劇場[ディレクター:ダニエル・ジャンヌトー])
現代演劇シリーズ─松井周演出『自慢の息子』
(2018年10月5日〜8日/国立演劇センター ジュヌビリエ劇場)
現代演劇シリーズ─藤田貴大演出『書を捨てよ町へ出よう』
(2018年11月/パリ日本文化会館)
現代演劇シリーズ─岩井秀人構成・演出『ワレワレのモロモロ ジュヌビリエ編(仮)』
(2018年11月22日〜12月4日/国立演劇センター ジュヌビリエ劇場)
現代演劇シリーズ─岡田利規演出 『三月の5日間』リクリエーション、『欲望の輪郭(仮)』
(2018年秋/ポンピドゥ・センター)
現代演劇シリーズ─木ノ下裕一監修・補綴 杉原邦生演出・美術 木ノ下歌舞伎『勧進帳』
(2018年11月1日〜3日/ポンピドゥ・センター)
現代演劇シリーズ─リーディング 飴屋法水『ブルーシート』前川知大『散歩する侵略者』
(2018年9月19日、21日/パリ市立劇場 エスパス・カルダン)
宮本亜門演出 能×3D映像『YUGEN 幽玄』
(2018年9月)
日仏ダンス共同制作 トリプルビル
(2018年9月18日〜11月14日/国立シャイヨー劇場/共同制作:リヨン・ダンスビエンナーレ(芸術監督:ドミニク・エルヴュ)ほか/振付:東京ゲゲゲイ ほか)
野田秀樹演出『贋作・桜の森の満開の下』
(2018年9月28日〜10月3日/国立シャイヨー劇場)
コンテンポラリーダンス─川口隆夫『大野一雄について』
(2018年10月2日〜5日/パリ市立劇場 エスパス・カルダン)
文楽
(2018年10月12日、13日/シテ・ド・ラ・ミュージック)
伶楽舎 × 森山開次
(2018年10月13日/フィルハーモニー・ド・パリ)
和太鼓 林英哲と英哲風雲の会
(2018年10月14日/フィルハーモニー・ド・パリ)
日本舞踊
(2018年10月14日、15日/シテ・ド・ラ・ミュージック)
 ※アーティスト・インタビュー 井上安寿子(京舞井上流舞踊家)
コンテンポラリーダンス─伊藤郁女×森山未來
(2018年12月18日〜20日/メゾン・デザール・ド・クレテイユ)
宮城聰演出『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』
(2018年11月19日〜25日/ラ・ヴィレット/音楽:棚川寛子
能楽
(2019年2月6日〜10日/シテ・ド・ラ・ミュージック)
蜷川幸雄演出『海辺のカフカ』
(2019年2月15日〜23日/国立コリーヌ劇場)
2.5次元ミュージカル "Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live
(調整中)
2.5次元ミュージカル ミュージカル『刀剣乱舞』 〜阿津賀志山異聞2018 巴里〜
(2018年7月15日/パレ・デ・コングレ・ド・パリ)
初音ミクコンサート(仮)
(調整中/ラ・セーヌ・ミュージカル)
ダンス・レジデンス─島地保武
(2018年9月〜11月/国立シャイヨー劇場)
ジャズ 小曽根真featuring No Name Horses
(2018年12月5日、6日/パリ日本文化会館)
TOKYO HIT vol.3 クラブ・イベント
(2018年9月28日/パリ日本文化会館)
テクノコンサート
(2018年9月28日/ポンピドゥ・センター)

ジャポニスム2018
https://japonismes.org/

新新国立劇場2018/2019シーズン ラインアップ発表
 
 新国立劇場は、2018/2019シーズンのラインアップを発表。演劇芸術監督に演出家・小川絵梨子、オペラ芸術監督に指揮者・大野和士が新たに就任した。
 歴代最年少で演劇芸術監督を務める小川絵梨子は、「幅広い観客層に演劇を届けること」「演劇システムの実験と開拓」「横の繋がり」を柱に今シーズンをスタート。文学座の稲葉賀恵演出によるアルベール・カミュ作『誤解』、寺十吾演出によるハロルド・ピンター作『誰もいない国』、上村聡史演出によるロバート・アイク作『オレステイア』日本初演、天野天街が主宰する「少年王者舘」が新作で初登場。小川はデイヴィッド・ヘア作『スカイライト』と野木萌葱の新作の演出を手がける。
 また、演劇システムの実験と開拓の実践として、全キャストをオーディションで選び上演する『かもめ』、長期スパンで作品を育む「こつこつプロジェクト」第1弾としてのリーディング公演(演出:大澤遊・西悟志・西沢栄治)を実施する。
 舞踊部門は、バレエではオーストラリア・バレエとの共同制作による『不思議の国のアリス』の新制作を皮切りに、ウエイン・イーグリング振付の『くるみ割り人形』、新旧3作品を上演する「ニューイヤー・バレエ」、牧阿佐美演出・改訂振付の『ラ・バヤデール』、フレデリック・アシュトン振付の『シンデレラ』、デヴィッド・ビントレー振付の『アラジン』の6演目をラインナップ。中村恩恵がニューイヤー・バレエの『火の鳥』の振付を担当するほか、「DANCE to the Future 2019」でもアドバイザーを務める。ダンスはその他3演目、『真夏の夜の夢』をテーマとした新作、日本独自の創作舞踊のパイオニアたちの作品を復元上演するシリーズ企画、森山開次による子どもと楽しむダンス公演を上演する。
 オペラ部門を新たに率いる大野和士は、「レパートリーの拡充」「日本人作曲家委嘱作品シリーズの開始」「ダブルビルとバロック・オペラの新制作」「旬の演出家・歌手の起用」「他の劇場とのコラボレーション」を掲げ、今シーズンは4演目を新制作。南アフリカ出身の現代美術家ウィリアム・ケントリッジ演出で映像プロジェクションを駆使した『魔笛』、日本人作曲家委嘱作品シリーズの第1弾『紫苑物語』を西村朗作曲・笈田ヨシ演出、大野の指揮で世界初演。また、スペインの演劇制作集団ラ・フーラ・デルス・バウスの芸術監督アレックス・オリエが演出を手がけるプッチーニの『トゥーランドット』新制作などが注目される。
新国立劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/
Presenter  Topics
世界最大規模の舞台芸術見本市CINARSモントリオールで開催(2018年11月12日〜17日)
 
 1984年に創設されて以来、2年に1度、カナダのモントリオールで開催されている世界屈指の舞台芸術見本市。40カ国から1,550人以上のプロデューサー、キュレーターなど舞台芸術のプロフェッショナルが参加。6日間の会期中にはケベック州をはじめ、北米を中心に国内外から集められた150組のアーティストによるトーク、ワークショップ、作品上演などが行われる。
 正式プログラムは、演劇、ダンス、音楽、複合分野的アート、サーカスの5部門に分かれており、その他のオフ・プログラム(正式招聘作品ではないが、フェスティバルのフリンジ作品として上演)も充実しているのが特徴。舞台芸術見本市のため、ほとんどの上演作品は30分前後の小作品となっている。
 本年度はCas Public、Virpi Pahkinenなど、将来を嘱望される地元の若手振付家による作品や、韓国人演出家Kim Hyun-Takによるフィジカル・シアターなどが上演される。また、米国エンターテイメント誌にて「世界でもっともクリエイティブな100人」に選出された鬼才リック・ミラーによるひとり芝居『BOOM』(ルヴィス・プレスリーからジョン・F・ケネディ、ジャニス・ジョップリンからウィンストン・チャーチルまで、戦後西洋世界を彩った有名人をひとりで演じる)が上演されるのも話題。また、同時期に音楽祭や児童演劇祭などのイベントも併催され、モントリオールは舞台芸術一色となる。

[概要]
 カナダ・ケベック州のモントリオールでカナダの舞台芸術を海外に普及することを主な目的に2年ごとに開催されている国際舞台芸術見本市。1984年に1回目の国際会議(International Conference for the Performing Arts)が開かれ、毎回世界数十カ国から1,000人以上のアーティスト、エージェント、プロデューサー、プレゼンターなど舞台芸術関係者が集う世界最大規模の見本市となっている。「プラットフォーム(Platform)」と「フォーラム(Forum)」で構成されており、「プラットフォーム」では、各国から参加するダンス、演劇、音楽、マルチディシプリナリー・アーツなど、約30のショーケースと約150団体のブース・プレゼンテーションが行なわれる。また、「フォーラム」では、資金調達やネットワーキングに関する勉強会やワークショップが開催され、プロフェッショナルな交流や情報交換が行われる。
CINARS
https://www.cinars.org/en/cinars

フランスで第72回「アヴィニヨン演劇祭」開幕(2018年7月6日〜24日)
 
 本年度のアヴィニヨン演劇祭は欧州の作家を中心にプログラム。ディディエ・ガラス、レイムンド・ホッヘ、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ、サシャ・ヴァルツ、ミロ・ラウなどのビッグネームがずらりと並んでいる。欧州外からは、現在ミュンヘン・カンマーシュピーレのレジデンス・アーティストも務めるイランのアミール・レザ・コヘスタニやエジプトのアーメド・エル・アタールなどが参加。アタールは、アヴィニヨンと同時開催されているフェスティバル・オフでアラブ諸国の小劇場作家を特集する「アラブ・フォーカス」のプログラミングも担当している。
 オリヴィエ・ピィが芸術監督を務めるようになってから、物語演劇の上演が特徴のひとつになっており、今年の法王庁広場でのオープニングには1982年生まれの演出家トマス・ジョリー(国立ストラスブール劇場のアソシエートアーティスト)によるセネカ作『テュエステス』が選ばれた。
 注目作のひとつが、スイス人演出家ミロ・ラウが2012年にベルギーで実際に起きた同性愛男性の殺害事件を描くドキュメンタリー演劇『ラ・ルプリーズ』。被害男性が真冬の街中でどのように襲われ、どれほど凄惨な暴力を受けて死に至ったかを、舞台上で精緻に再現(ルプリーズ)し、リアルな悲劇が展開される。
 リール出身の演出家ジュリエン・ゴスリンは米国人作家ドン・デリーロの小説を翻案し、『Players, Mao II, The Names』という10時間に及ぶ大作を発表。3部にわかれた本作にはテロリズムや暴力といったテーマが通底している。
 若手作家による作品には、2017年度のフェスティバル・インペイシエンスの観客賞と審査員賞をダブル受賞したフランスのアーティスト・コレクティブ<Les bâtards dorés>による『Medusa』や、1985年生まれの演出家・劇作家・作曲家・美術作家のニノ・レスネによる分野横断的なパフォーマンス『Romances Inciertos, Another Orlando』などがラインナップされている。

[フェスティバル概要]
1947年、ジャン・ヴィラールによって創設された新作発表の規模、数、質において欧州で1、2を競う舞台芸術フェスティバル。2004年からアソシエート・アーティスト制度を採用し、毎年異なるアーティストがプログラムの選定を務めている。近年の総演目数は40前後。メイン会場であるパレ・デ・パップ(法王庁宮殿)の中庭、キャリエール・ ドゥ・ブルボン(石切り場)など、アヴィニョン市内約20カ所のさまざまな施設で上演が行なわれ、ほぼ市の人口に匹敵する10万人が町を訪れる。プレス各紙は毎年アヴィニョン演劇祭特集ページを組み、連日舞台評を掲載。2005年のヤン・ファーブル作品のように時には演劇界あげての大論争に発展することもある。演劇祭開催と時を同じくして「アヴィニョン演劇祭OFF」(http://www.avignonleoff.com/)と呼ばれる数多くの公演も行われる。オフは自由参加制。また、舞台芸術以外にも、展示会、コンサート、詩の朗読、などさまざまなイベントが開催され、期間中は町全体が祭りの雰囲気に包まれる。2013年度に演出家オリヴィエ・ピィが芸術監督に就任。2014年には宮城聰演出『マハーバーラタ〜ナラ王の冒険〜』、また日本の俳優たちをフランスの巨匠クロード・レジが演出したメーテルリンクの『室内』が上演された。
アヴィニョン演劇祭(Festival d'Avignon)
http://www.festival-avignon.com/en/

ドイツ西部の巨大舞台芸術祭「ルール・トリエンナーレ」開幕(2018年8月9日〜9月23日)
 
 ドイツ語圏の演劇祭でもっとも勢いのあるプロデューサーが3年毎に芸術監督に就任することで注目されるルール・トリエンナーレ。2018年度からは、チューリッヒ国立劇場のチーフ・ドラマトゥルクやウィーン芸術週間の芸術監督職を歴任してきたシュテファニー・カープが総合プログラミングの責務を担う。
 喫緊のポリティカルなアジェンダに目を向けてきたカープは、「In-between Time(時間のはざまで)」というテーマを設け、人類が前世代の生き方から未来的な生き方へ移行するはざまにいることを示唆。経済的にも政治的にも環境的にも、「劇的に生き方を変えることが、我々にはいま求められている」とカープは言う。
 こうしたテーマを象徴し、インドの哲学者ヴァンダナ・シヴァによる「地球民主主義」と題した基調講演で開幕。オープニング演目では、カープが長年ドラマトゥルクとして支えてきた演出家クリストフ・マルターラーが作曲家チャールズ・アイヴスによる未完の大曲『宇宙交響曲』を、Jarhunderthalle (世紀会館)の全館を使って舞台化する。
 また、国と国の「はざま」で生きる人々に光を当て、ブルキナファソの振付家セルジュ・エメ・クリバリ、モロッコ系仏人の美術作家ブシュラ・ハリーリなどによる作品を招聘。振付家サシャ・ヴァルツには『Exodus(大量出国)』と題した新作を委嘱。他にも、マリアーノ・ペンソッティ、ネイチャー・シアター・オブ・オクラホマ、オルー・オグイベなどによる作品も発表される。

[概要]
 ドイツ西部の工業都市ボーフムを中心としたルール地方で、2002年より毎年開催されているフェスティバル。3年を1シーズンとしている。ザルツブルク音楽祭の元芸術監督で、パリ・オペラ座の現芸術監督であるジェラール・モルティエが創設者で初代芸術監督。世界的な芸術フェスティバルとルール地方の工業遺産を結びつけるというアイディアから、巨大な機械工場やコークス工場を再開発した個性的な上演会場で、年ごとのテーマのもと、演劇、ダンス、オペラ、ジャズ、ポップス、ファインアートなど実験的な上演が行われている。3年ごとにディレクターが代わり、2006年〜08年は、ザルツブルク音楽祭の演劇部門責任者で演出家のユルゲン・フリム。2009年〜11年は演出家ウィリー・デッカー。2012年〜14年は作曲家で演出家のハイナー・ゲッペルズが務めた。2015年には公立劇場ミュンヘン・カンマーシュピーレをかつて率いた演出家のヨハン・シモンズがディレクター職に着任。2018年度からはシュテファニー・カープが芸術監督を務める。
ルール・トリエンナーレ(Ruhrtriennale International Festival of the Arts)
https://www.ruhrtriennale.de/de/home/
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