The Japan Foundation
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Japanese Drama Database
Japanese Title: 黄金の国
English Title: The Golden Country
Author: 遠藤 周作
Author's Profile: 1923年東京生まれ。1935年にカトリック教会にて受洗。1948年慶応大学文学部仏文科卒。1950年から1953年にかけてフランスに留学。帰国後、1954年にはじめての小説「アデンまで」を発表。1955年には「白い人」で芥川賞を受賞する。1958年『海と毒薬』で新潮社文学賞、毎日出版文化賞を受賞。1966年に『沈黙』(長編小説)を刊行して大きな反響を呼び、同年その姉妹篇である戯曲「黄金の国」が劇団雲により初演された。
学生時代、すでに「サウロ」(高校生の上演用)を書いていたが、戯曲「黄金の国」発表後、1968年には素人劇団「樹座」を組織して自ら出演し、また劇団の海外公演も行うなどして演劇を愛好した。一方で「薔薇の館」(1969年初演)、「メナム河の日本人」(1973年初演)、「喜劇新四谷怪談」(1974年初演)などの戯曲を発表。1995年には「沈黙SILENCE」が劇団昴とアメリカのミルウォーキー・シアターにより共同製作され、日本とアメリカで上演された。現在までに「沈黙」ほか小説数作が映画、オペラ化されている。1981年、芸術院会員となり、1995年文化勲章を受賞。1996年没。
First Performance:   1966
Performance time:  
Acts / Scenes: 3幕9場
Cast: 19人(男17・女2)


島原の乱が起こって2年後の長崎。奉行所に勤める朝長作右衛門はキリスト教を取り締まる立場でありながら、実はキリシタンである。自分の在所のキリシタンたちを守るため、転んだふりをして、日々を送っている。朝長はひとりの宣教師フェレーラをかくまっている。また、ひとり娘の雪をはじめ、多くの朝長に関わるものが隠れキリシタンとしての生活を送っている。自らも転んだキリシタンである井上はキリシタンの摘発に異様な執着を燃やしている。その方法は踏み絵などキリシタンの心理を巧妙についた罠である。井上は言う。キリスト教は日本の地には根付き得ない宗教であると。やはり奉行所に勤める青年源之助は朝長の娘、雪を思っている。求婚するが雪はキリシタンであるが故に源之助への思いを断ち切り断る。雪はその苦しい思いをはつにだけ打ち明ける源之助へ雪の思いの架け橋をすべく、知り合いの娘に伝言を頼むがその申し出がアダとなり、朝長の隠れた信仰が井上の知るところとなる。踏み絵を迫られ、それを踏まず囚われの身となる朝長。フェレーラは苦悩の末、奉行所に自ら名乗り出るが、朝長は許されない。源之助の懇願も聞かず雪もまた囚われの身となる。そして源之助も雪からもらった十字架を首にかけていたという咎で踏み絵を迫られる。その源之助の踏み絵の上の顔を置き、「この顔を踏んでくれ」と懇願する雪。それは叶わずまた源之助も囚われる。すべてを見ているしかなかったフェレイラは「キリストは踏めと言っている」とキリストの顔を踏む。そのフェレイラに、「ほんとうのキリスト教というものはそんな安易な赦しを与える宗教ではない。だからこの泥沼のような国にキリスト教は根ざさないのだ」と告げる。深く頭をたれるフェレイラのもとに、朝長の死、そして雪や源之助の処刑の報がつげられるのであった。
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