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Performing Arts Network Japan
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Data
[初演年]1989年
[上演時間]1時間30分
[幕・場面数]4場
[キャスト数]18人(男7・女11)
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※2005年12月にフレデリック・フィスバック(Frederic Fisbach)の演出により日本語版の『ソウル市民』を世田谷パブリックシアターで上演する予定。フィスバックは2007年のアヴィニョン演劇祭のアソシエイト・アーティストであり、演劇祭での上演も企画されている。また、2006年10月には、Arnaud Meunier演出で、フランス語版『ソウル市民』がシャイヨー国立劇場において上演される予定。
Play of the Month
2005.6.17
Citizens of Seoul    Oriza Hirata  
ソウル市民───平田オリザ  
1909年、日本による韓国の完全植民地化、いわゆる「日韓併合」を翌年に控えたソウル(当時の現地名は漢城)で生活する日本人一家の一日が描かれている。

1909年、夏、文房具店を経営する篠崎家。日本から後妻に入り、いつまでも朝鮮の生活になじめない母。自分が何をやりたいのか判らない長男。文学に青春を燃やす長女。大陸浪人をはじめとする、何をやっているのか判らない書生たち。とりとめのない話を延々と続ける女中たち。そんな篠崎家を様々な客人たちが訪れる。激動する時代の中で、一見時代とは無縁な時間が流れていく。そこで繰り広げられる淡々とした会話を通して、運命を甘受する「悪意なき市民たちの罪」を描き出す。

題名の『ソウル市民』は、ジェイムス・ジョイスの異色作『ダブリン市民』を意識してつけられた。作者の平田オリザはこの作品を、イギリス統治下のダブリンの人々の姿を描いた『ダブリン市民』を射程におきつつ、篠崎家の家族の意識の流れを表現できればと考え、一市民の発する言葉が、彼の人生とそれをとりまく時間を担いうるような作品を目指した。そして、そのような言葉によって構成された本作品には、長編小説に勝るとも劣らない内容をともなった濃密な時間が流れている。

『ソウル市民』は、すでに韓国語・英語・フランス語に翻訳されており、フランスでは Les Solitaires Intempestifs よりフランス語版(『Gens de Sul』Rose-Marie Makino-Fayolle 訳)が出版されている。『ソウル市民』の続編となる『ソウル市民1919』(作・演出:平田オリザ)も2000年に上演された。

作者プロフィール :[生年]1962
こまばアゴラ劇場の経営者として小劇場界に関わる一方、1983年に、そこを拠点に活動する青年団を旗揚げし、劇作家、演出家として活動を始める。「現代口語演劇理論」を掲げ、日本人の生活を起点に演劇を見直し、「静かな演劇」と称された1990年代の小劇場演劇の流れをつくる。自らの方法を記した演劇論の著書も多い。緻密な計算によって演出する手法は評価が高く、劇作家、松田正隆と組んだ一連の作品は話題になった。こまばアゴラ劇場で地域劇団の演劇祭を企画するなど、地域との交流も意欲的に行い、各地でワークショップや公演を行なっている。海外公演も多数。桜美林大学総合文化学科専任助教授、埼玉県富士見市民文化会館キラリ☆ふじみプロデューサー。
http://www.seinendan.org/
 
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