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オケピ!
パルコプロデュース公演ミュージカル
『オケピ!2003』
撮影:谷古宇正彦
Data
[初演年]2000年
[上演時間]約3時間半
[幕・場面数]
[キャスト数]13人(男9・女4)
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Play of the Month
2005.10.22
The Orchestra Pit Koki Mitani  
オケピ! 三谷幸喜  
「オケピ」というのは、オーケストラ・ピット、つまり劇場のステージ前方下にしつらえられているオーケストラボックスのこと。この作品は、あるミュージカルの上演中に、その「オケピ」で展開されるミュージシャンたちのドタバタを、シチュエーション・コメディの手法で描き出す、バックステージ・ミュージカルだ。

幕が開くと、舞台はオーケストラ・ピットの体裁。上のステージのための演奏が、そのままこちらの舞台のミュージカルナンバーでもあるという、ひねった趣向にもなっている。

客席と舞台を繋ぐナレーター役も務めるコンダクターが登場。三々五々集まってくるミュージシャン(俳優)たちを紹介していきながら、こんなふうに語る。華やかな夢の一夜が展開するステージの下で、しがないバンドマンたちはけれど毎夜、精一杯生きているのだと。人生で起きるすべてのことはここでも起きる、と。

コンダクターの妻は、バイオリンのハチ子。男をつくって別居中である。その相手の男というのが、トランペットの藤堂である。なんとか妻とよりを戻したいと考える一方、コンダクターはハープの東雲にほのかな浮気心を抱いてもいる。

ところが、ギターの丹下が、東雲と婚約したとにわかに発表する。だが、なにやら含みありげな東雲の表情に、コンダクターが尋ねてみると、彼女にはそんな気持ちはないのに、丹下が勝手に一人走りしているのだとうち明けられる。

ここぞとばかりコンダクターは丹下を説得にかかるが、やがて判明するのは、誰にでも思わせぶりな態度をとる東雲の、優柔不断で他人を惑わせがちな性格だ。彼女は、コンダクターと一緒に行った同じレストランに、丹下とも行ったばかりでなく、丹下の親とも会い温泉にも旅行したが、それはただ「一度行ってみたいと思っていた温泉だから」だけのことなのだという。

こじれる恋愛模様をよそに、上のステージではミュージカルが進行し、次々と演奏を段取らねばならないコンダクターには、さらに問題が降りかかる。ミスをしてばかりのピアノ、二日酔いのトランペット、ネズミ講まがいの洗剤販売を持ちかけるドラム、眠り込んでしまうビオラ、神経質で気むずかしいオーボエ。コンダクターはまさに右往左往である。

そんな中、ハチ子は藤堂に二股をかけられてすでに別れていること、二股の相手が、他ならぬ東雲であること、が明るみに出る。

東雲が、淋しいから誰かに愛されていたいけど、傷つくのがこわくて誰も愛せない、と自分の真情を歌う。

コンダクターは、もう一回やり直そうとハチ子に持ちかけるが、彼女はこう言う。長い間いっしょにいると、お互いのいやな面ばかりが見えてくる。私はこれ以上あなたを嫌いになりたくないから別れるの。あなたを尊敬している。なぜなら、「あなたじゃなかったら、これだけの現場、まとめられないわ」。

上のステージもラストをむかえ、エンディングを演奏する中、幕。

作者プロフィール:[生年]1961
東京生まれ。日大芸術学部演劇科卒。1983年、相島一之、梶原善、西村雅彦らと「東京サンシャインボーイズ」を旗揚げ。劇団名をニール・サイモンの戯曲に借りていることからもわかるとおり、登場人物のキャラクター立てがくっきりした、正統的シチュエーション・コメディを骨頂とする。陪審員制度が導入された日本を仮定した『12人の優しい日本人』をはじめとして、限定された空間の中で様々に勃発するトラブルに対し、右往左往四苦八苦する人物たちの姿を、日常的なせりふのやりとりを通しつつ、明るくスピーディーに、かつスリリングに描き出していく群像劇が多い。舞台以外にも、連続テレビドラマ『古畑任三郎』の脚本、映画『ラヂオの時間』の監督など、話題作も多数。幅広く活躍する。1994年、『東京サンシャインボーイズの罠』で、東京サンシャインボーイズの活動を休止。2024年、『リア玉』で東京サンシャインボーイズ活動再開予定(?)だという。
http://www.parco-mitanikoki.com/
 
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