ONDA(フランス芸術振興会)
Office national de diffusion artistique
1975年に設立された非営利組織。パリ9区に本部を置き、フランス文化・コミュニケーション省より補助金をうけ、舞台芸術文化の育成と交流を促進する活動を展開している。所長はシルヴィー・ユバックSylvie Hubac。 http://www.onda.fr/
*1 フェルム・デュ・ビュイソン
Ferme du Buisson
パリの東方約30キロ、マルヌ=ラ=ヴァレ地区に1990年にオープンした舞台芸術を中心とした複合文化施設。19世紀末より操業していたチョコレート会社の工場跡を中心に、800席の大劇場及びコンサートスペース、2つの映画館、7つのホールがある文化センターなどで構成。建物は1986年に歴史的建造物に認定されている。 http://www.lafermedubuisson.com/
──1995年当時、ONDAはどのような組織だったのですか。
とても率直に言って、状態はあまりよくありませんでした。ONDAは、当時の文化大臣ミシェル・ギー、アミアン文化の家Maison de la Culture d'Amiensのディレクターだったフィリップ・ティリーPhilippe Tiryによって、1975年に創設された組織です。その後、20年間、ティリーがディレクターを務めていました。退任したときには70才でしたから、やや長すぎたのです。ティリーはゼロからONDAを立ち上げ、組織としてのミッション、精神、活動の方法論を生み出した、感謝すべき存在です。ただ、1995年当時は組織としては下り坂であったことにはちがいなく、文化省によって廃止されてしまう危険さえあったのです。
──どのようなアーティストが支援の対象になっているのですか。若手が多いのでしょうか。
支援の主たる対象は、若手であろうとなかろうとこうした支援を必要としていると私たちが考える芸術家です。たとえば私たちはジョエル・ポムラJo¨el Pommeratの作品を長年にわたって支援してきました。重要な芸術家であり、支援を必要としていると考えてきたからですが、今では彼は私たちの支援を必要としないほど確固たる地位を築きました。また、金銭的リスクがある、というだけでは支援の理由にはなりません。フィリップ・ドゥクフレPhilippe Decoufléもジンガロも太陽劇団Théâtre du Soleilも呼ぼうとすれば金はかかりますが、だからといって呼んだ劇場は芸術的なリスクを負うことにはなりません。逆に、フランソワ・タンギFrancois Tanguyは彼らに劣らない芸術家だと私は思っていますが、彼の作品を私たちは今も支援し続けていますし、フランスの「人間国宝」と呼べるクロード・レジClaude Régyもほんの少し前まで私たちの支援を受けていました。
──日本にミッションを派遣する計画があるそうですね。
まず2012年2月のTPAM in Yokohamaに、アンスティテュ・フランセと共同して、フランスの芸術家のプロモーションをしている民間の舞台芸術制作団体の人間を何人か連れて行く予定です。国際見本市がいかに組織され、機能しているか、日本の舞台芸術界の特質はいかなるものか、彼らに知ってほしいと思っています。これはモントリオールのCINARSでもすでに試みたことなのですが、彼らにとってきわめて有益な経験となりましたので、もう一度試してみたいと思っています。その後、2013年秋のフェスティバル/トーキョーには、予算が確定していないのではっきりとはいえませんが10〜15人くらいの劇場やフェスティバルのプログラム担当者を連れて行きたいと思っています。